ドイツの空の音楽日記
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2007年4月
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2007/04/25(水) びっくり!!
今朝、歌劇場に着いたら秘書の方が私を待ち構えていて、
”古賀さん、主任指揮者(コーティ氏)が自分の部屋に来てくれ、と言っています。話があるそうです。”
と言われました。
”今すぐにしますか?それとも、通し練習前に個人練習したいでしょうから、通しの後にしますか?”
”通しの後に行きます”

指揮者から呼び出しなんて、オーケストラ始めて以来くらったことがないので、私の頭の中はぐるぐる不安で渦巻いてしまいました。
通し練習の数時間、こんな時こそ良い演奏しないと、と踏ん張りながらも、”凄く悪いことだったらどう対処するか”というような心配も消せませんでした。なんと疲れたことか、、、。

通し練習の後、コーティ氏が”古賀さん、じゃあ、僕の部屋の前で待っててください”と言い、
そばにいたコンサートマスターが
”どうしたの?”
”呼び出されちゃったんですよ。心当たり無いんですけど”
”君、フルートのグループにいつもいじめられてるでしょう。
何か仕組まれたのかもしれないから、悪い様子だったら自分で動かないで、自分やオケの責任者と出直すように”
と心配してアドバイスくれました。
私は余計ドキドキしてきました。

また、コーティ氏の部屋の前で待つ15分程が永遠のように長く感じました。

やっとコーティ氏が、
”やあ、待たせてごめん!”とやってきて、
”悪い話じゃないから”一気にほっとしました。
”悪いことばかり想像してました”
”とんでもない。”

そこでコーティ氏は改まって、
”7月にあるクラシックシリーズのコンサート、
君にソリストとして協奏曲をやって欲しい。
ヴィヴァルディの”ごしきひわ”のソロをやってくれないか”
主席を差し置いて、あえて私に凄いチャンスをくれる、と言うのです。びっくりして何と答えたか忘れました。

”君の演奏は大変気に入ってる。君の音はどんな時でもちゃんと通って聴こえて来る。とても大事な事だ”
と大きな賛辞も戴き、私は不安の渦から一気に歓喜に渦にかわって頭がぼーっとしてしまいました。

”それで、いくらでソロをやってくれるか?”
”いえ、そういう機会をいただくのにお金は要りません。”
”そういうわけに行かないんだ。決まりだから。
もちろん、君の、音楽が大事でお金の為にやってない気持ちは僕もそうだしよくわかるけれど。”

”他にもっとやりたい曲があれば提案してくれてもいいんだよ”

嬉しいのも余りに過ぎると感覚がわからなくなって、その後はぼーっとしてしまいました。
ただ、私はソリストであっても主席ではないのに、それを差し置くとまた恨まれる、その上お金までもらったら余計やっかまれる、というのはあります。

それでもコーティ氏がそこまで認めてくれていて、大きなチャンスをいただけた、というのは期待してなかったので、今日は私にとって特別な日になりました。


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