ドイツの空の音楽日記
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2007/04/29(日) ナブッコ
昨日はヴェルディのオペラ”ナブッコ”の落としでした。
”ナブッコ”は、私にとっては他のヴェルディのオペラに比べたらまだあまり成熟してなく、メロディより拍子が目立ってる、あまり取り得を感じないオペラなんですが、有名な合唱が入ってるせいか人気があります。

次の週はいくつかのプログラムが入り組んだ大変な週だけれど、前々から助けてもらいたくて仕方のないゲオルグに強引に時間とってもらってしまいました。
彼はただでさえ忙しい上に小さい子供も生徒も抱えてるので、
”ちょっと迷惑かけてるよな、、、”と思います。
しっかり生かして、喜んでもらえることでしっかりお礼しなくちゃ、、。

2007/04/28(土) 100年来の暑さ
ドイツは今夏の陽気ですが、4月がこんなに暖かいのはこの100年来だそうです。本当の夏ではないので、太陽が一杯だけど暑過ぎない、とても心地良い天気で、皆も機嫌が良いようです。

昨日は朝から晩まで仕事だったあと、一緒に四重奏やっている第二ヴァイオリンのコンマスのインゴがちょっと聴いてアドバイスしてくれました。
彼は一日中弾いてても疲れを見せない、平均的に力の出せる人です。

私は疲れ切ってて、せっかくインゴが色々と興味深い為になるアドバイスしてくれてるのに、もう音がコントロールできない状態で、”わあ、もったいない!”と言うと、
”じゃあ、来週ちゃんと時間決めてまた聴いてあげる”と言ってくれました。

今は一人の人でなく、いろんな人のアドバイスが個人練習にとても糧になりやすいです。
そうして、快くアドバイスくれる仲間が居る事がとてもありがたいです。

昨日、仕事中はフルートのグループのやっかみや嫌がらせでかなりすっきりしない精神状態だったのです。
でも、この、インゴの演奏上のちょっとしたアドバイスで頭はまた自分の演奏改善のことで一杯になり、再びすっきりした前向きな気持ちに帰れました。

帰りの自転車飛ばしながら、夜中でしたが、まだ太陽一杯にあびてるような気持ちでした。

2007/04/27(金) アドバイス
今日はゲオルグにモーツァルトを聴いて貰ってアドバイスいただくはずが、歌劇場の仕事の時間変更でダメになってしまいました。
自分では行き詰ってるとこもあったのでがっかりしましたが、クリストフがちょっと聴いてくれて感想をくれました。
これが、予想外に、偏りを修正して太い音楽の流れをつかめるきっかけになってます。

今日は廊下でばったり会った楽譜係の方が、
”お電話したとこでした!あなたが7月に吹く協奏曲の正式名はなんですか?楽譜は何版がいいですか?”
と訊いて来てくれ、水曜の事が夢でなくて現実だったんだと実感できました。

2007/04/25(水) びっくり!!
今朝、歌劇場に着いたら秘書の方が私を待ち構えていて、
”古賀さん、主任指揮者(コーティ氏)が自分の部屋に来てくれ、と言っています。話があるそうです。”
と言われました。
”今すぐにしますか?それとも、通し練習前に個人練習したいでしょうから、通しの後にしますか?”
”通しの後に行きます”

指揮者から呼び出しなんて、オーケストラ始めて以来くらったことがないので、私の頭の中はぐるぐる不安で渦巻いてしまいました。
通し練習の数時間、こんな時こそ良い演奏しないと、と踏ん張りながらも、”凄く悪いことだったらどう対処するか”というような心配も消せませんでした。なんと疲れたことか、、、。

通し練習の後、コーティ氏が”古賀さん、じゃあ、僕の部屋の前で待っててください”と言い、
そばにいたコンサートマスターが
”どうしたの?”
”呼び出されちゃったんですよ。心当たり無いんですけど”
”君、フルートのグループにいつもいじめられてるでしょう。
何か仕組まれたのかもしれないから、悪い様子だったら自分で動かないで、自分やオケの責任者と出直すように”
と心配してアドバイスくれました。
私は余計ドキドキしてきました。

また、コーティ氏の部屋の前で待つ15分程が永遠のように長く感じました。

やっとコーティ氏が、
”やあ、待たせてごめん!”とやってきて、
”悪い話じゃないから”一気にほっとしました。
”悪いことばかり想像してました”
”とんでもない。”

そこでコーティ氏は改まって、
”7月にあるクラシックシリーズのコンサート、
君にソリストとして協奏曲をやって欲しい。
ヴィヴァルディの”ごしきひわ”のソロをやってくれないか”
主席を差し置いて、あえて私に凄いチャンスをくれる、と言うのです。びっくりして何と答えたか忘れました。

”君の演奏は大変気に入ってる。君の音はどんな時でもちゃんと通って聴こえて来る。とても大事な事だ”
と大きな賛辞も戴き、私は不安の渦から一気に歓喜に渦にかわって頭がぼーっとしてしまいました。

”それで、いくらでソロをやってくれるか?”
”いえ、そういう機会をいただくのにお金は要りません。”
”そういうわけに行かないんだ。決まりだから。
もちろん、君の、音楽が大事でお金の為にやってない気持ちは僕もそうだしよくわかるけれど。”

”他にもっとやりたい曲があれば提案してくれてもいいんだよ”

嬉しいのも余りに過ぎると感覚がわからなくなって、その後はぼーっとしてしまいました。
ただ、私はソリストであっても主席ではないのに、それを差し置くとまた恨まれる、その上お金までもらったら余計やっかまれる、というのはあります。

それでもコーティ氏がそこまで認めてくれていて、大きなチャンスをいただけた、というのは期待してなかったので、今日は私にとって特別な日になりました。

2007/04/24(火) ちょっと混乱
今日はオーケストラ練習の合間に、最近身につけた音と、昔の音での吹き比べを、2人の方に聴いてもらうことが出来ました。

私は断然最近身につけたほうが良いと思ってたら、一人は”昔の方がツブぞろいでいい。”もう一人が”断然新しいほうが音が太くて深い。昔のは日本人的に線が細い。”と意見が分かれてしまい、ちょっと混乱しました。

聴いて貰ったのはハープとヴァイオリンの方でしたから、”やはり管楽器の上手い人に尋ねよう”と、前々から尊敬してるクラリネットのゲオルグにお願いしました。
忙しい人ですが、気さくに”今日はダメだけど、急ぐのなら、じゃあ、木曜のゲネプロ前に!”と心よく引き受けてくれました。

前にも2回ほどゲオルグに聴いて貰ってアドバイスもらった事がありますが、自分で気付いていない所や自分とは違うアイディアをくれてとても助かりました。
身近にこういう信頼できる音楽家が居るって有難い事です。

2007/04/23(月) 鳥のスープ
クリストフが彼自慢料理の鳥のスープを作ってくれました。

鶏、白アスパラガス、コーン、お米少々、が原料のシンプルスープですが、彼は脂っこいのが嫌いで、鳥は最初別に煮立てて油気を取り除き、フォンを取って置いて後でスープに加える、と手間がかかってます。
それが効してか彼のスープはさらりとしてるのにお米のコクがあって、決して飽きない味です。

私は”冷蔵庫に何もなくなっても何か料理できる”という得意技がありますが、いわゆる自慢料理はないので、うらやましいです。

2007/04/20(金) 赤い音?青い音?
昨日で、この数ヶ月試行錯誤してた新たな音を掴めた様に思います。
それまでは数時間練習した後、”あ、これだ!”となってましたが、昨日はすぐ、今までの吹き方と改善したのと分けることが出来ました。
その場にいたヴァイオリニストに
”ちょっと聞き比べて見て”と頼むと、
”わあ、まるで別人の音みたい”
”どう違う?”
”片方は赤い色の音、もう片方は青い色の音がする。”
これでは私にはちょっと?でした。
ただ、部屋も狭くて弦楽器なのでどちらが良いか、というのは良くわからない、とのことで、また広い部屋で管楽器の人に聞いてみようと思ってます。
自分としては、2月にレッスンで指摘された事が今になって消化出来てきたと思ってるんですが。

2007/04/18(水) 聞き違い
昨日のオーケストラ練習の時、指揮者が私の方を指さして、
”そこのちびちゃん!”と言ったので、びっくりして
”はい!”と答えると周りの人が、笑って、
”クラリネッテって言ったんだよ!”と教えてくれ、
”あ、クライネ(ちび)って聞えました。”と言うと大笑いになりました。
クラリネットは私の真後ろだったのです。
その後指揮者の私を見る目はずっと笑ってました、、、。

2007/04/17(火) 暖かい息
今週からヴェルディ”ナブッコ”の練習が始まってます。

今日は個人練習中、あごの構えを探ってたら、昔ある先生が
”吹く時の息は暖かい息で。冷たい息だと音が通らない”と言ったのを思い出し、イメージしてやってみたら、自然に喉がオープンになるようでした。

最近突然夏のような陽気になり、湖のほとりを散歩してると、キャンプ張ったり水着で日光浴してる人が多くて、まるで夏休みみたいです。

2007/04/14(土) 久しぶりの感動
昨日とおとといがシンフォニー・コンサートでした。

最初の曲、コダーイでは大きなソロをやったクラリネットのゲオルグの演奏に涙が出そうになりました。

物悲しい節をヴィルトゥオーゾなトリルとアルページオで歌うカデンツですが、テクニックも感じさせず、自然でいて情熱的で、心にスーッと入ってくる演奏で、そして彼の人生も反映させるような深いものでした。練習で何回も聞いていたのに、本番、静かに感動して、胸が一杯になりました。
音楽専門にやってると、細かいところも気になってしまって、なかなか素直にコンサートで感動できにくい事も多いのです。
ましてや、毎日聴いてる仲間の演奏で心から感動するというのは稀です。

今回は仕事で自分も演奏してる身ながら、このゲオルグのソロが聴けた事がありがたくて、心洗われたようで、ゲオルグにいくら賞賛与えても足りないぐらいでした。

ただ、オーバーな表現での賞賛になってしまったようで、周りの皆には笑われました、、、。

先の予定がどうなるか、と思っていたら、このところ続けて9月以降のコンサートが決まっていきました。ありがたい!音楽家にとってはこれが生きる活力です。
中には、”トリオ、君に承諾とらないで、フルートは君に決めたんだ、ごめん。”と言ってきた人もいて、”いや、ありがたいし嬉しいですよ!”と笑い合いました。

4月絵日記の続き


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