ドイツの空の音楽日記
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2006/12/06(水) フレミングのジャンヌ・ダルク
フランスを救った少女、ジャンヌ・ダルクの映画を1950年ごろのヴィクトール・フレミング監督で見た事ありますか?
最近の物も、もちろん筋は似たようなものですが、映画の信念はかなり違います。
私は、本当の話はこの古い映画に近かったのでは、と思います。

このジャンヌ・ダルクは、田舎のおとなしく信心深いごく普通の少女で、フランス滅亡の危機に毎日一心にお祈りしています。
すると、神が、彼女が先頭たって戦い、やがて落とされるであろう最後の砦、オルレアンを救え、と使命しているのを悟ります。

このジャンヌはびっくりして、”神様、私は男性さえ恐れる少女です。とても無理です。誰か他の方に!”
と祈ります。こういうところ、とても自然です。

それでも彼女は”神の望む事だから”と決意し、周りにさんざん馬鹿にされ、叱られつつも必死に行動開始します。
そして、いつも一人か二人の理解者があらわれ、結局神の言葉を果たしてフランスの危機を救えます。

この間、映画を見てるほうにはその神なる声も姿も見せません。ここが、この監督の凄いと思うところです。
オーバーな演技でなく目の深さで、スペクタクルでなくて真実を、と言った信念が強く感じられます。

ジャンヌの目、顔つき、言葉、そういうもので神秘が起こっている事を充分感じられる、迫真の目の演技です。

最後も、火あぶりの怖さからつい、脅しに乗って、”聞こえてる神の声は悪魔の声と認めろ”という証文にサインし、
その夜に泣く泣く”あなたを裏切りました”と祈ってるジャンヌの顔が急に輝くシーンも泣けます。

”あなたは私を許してくださいました!もう、火あぶりも怖くありません”

何があったかはこちらに見えなくても、ジャンヌの表情で、こちらまで何か神に許されたような気持ちになってすっきりした気分になるから不思議です。

このジャンヌを演じてるのは若し頃のイングリット・バーグマンです。
他に、こんなに凄い演技してる彼女の映画をまだ見た事がありません。
バーグマンはもともとジャンヌ・ダルクを演じる事が夢だったそうです。
彼女のジャンヌ・ダルク像は魔女的力を持つ女ではなく、ひたすら純真でまっすぐなクリスチャンの少女だったようです。

フレミングの映画は”風と共に去りぬ”の方がずっと有名ですが、この”ジャンヌ・ダルク”ももっと多くの方に見て欲しい作品です。


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