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2006/12/23(土)
ベルリンでの試験
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数日間、ベルリン国立歌劇場の入団試験に行っていました。 日本で共演して仲良くなったイータイ(チェリスト)が快く泊めてくれ、彼の婚約者ともの3人でリラックスした時も過ごす事が出来ました。
さて、1次試験、モーツァルトとヴィヴァルディの協奏曲。 最初は皆一緒くたにビービー同じ部屋で練習している所から、本番直前は3,4分だけ、集中するためにと、静かな部屋に入れてもらえました。
”わー緊張してきたかな?”と思った時、突然、”大丈夫、明るく楽しく吹ける!”という思いがわいてきました。
本番、試験場に入っていくと、カーテン審査でしたから、吹いてるカッコウはお構いなしに好きに演奏しました。 だんだん乗って来て、吹き終わる頃には試験と言うより演奏会の気持ちに近かったです。
ドキドキの2次通過者発表、 ”@@さん、古賀さん、OOさん、” 選ばれた3人の中に私も入ってました!
ここで審査していたフルーティストが入ってきて、私の隣の人に、”あなた、ここは良かったけど、こことここ、リズムに注意して。もっと個性出して、心込めていいよ。”など、2次に対しての注意をしていました。知り合いだったようです。 わたしは、つかつか近づいて行って、 ”すみません、私も何か注意点いっていただけますか?” とお願いしました。 ”あなたは、素晴らしかった!” 試験でこんな事言われないので、びっくりしてると、 ”いや、ほんと、とても良く響いて、気に入りました。またその調子で演奏してください。” 周りもびっくりしてるので、 ”いや、彼女は本当に特別だったから”
ちょっと嬉しいと言うより、驚きました。 逆に、”チャンス”と思いすぎて緊張しないよう、落ち着いていよう、と思いました。
さて2次、トイレに行ってたら、トイレまで ”次、あなたですよ”と呼びに来られました。 ちょっと心の準備が足りない感じでしたが、まあまあ落ち着いて吹けました。
2次以降はカーテンなしでした。 結局3人とも最終審査に残りました。
フィナーレ、3人並んで座らせられ、色んなオーケストラのソロパートを順々に吹かされました。 それが、全部、高音域のフォルテッシモ(とても大きい音) のところばっかりなので、ちょっと”なんでだろう”と思いました。 普通は綺麗に歌う部分とか、ピアノ(小さい音)が出せるか、などをもっと重点的に見るからです。
そして、結果は”誰も取りません”でした。
審査が終わった後、審査員の重要な2人が、私のところにやってきました。 ”僕たちは1次、2次ではあなたに期待した。 でも、フォルテッシモ(大きい音)の響きがどうも気に入らなくて、それで最終で、何度もフォルテの所ばかりやってもらったが、それがひっかかった。 音楽的には素晴らしい!個性も気に入った。 本当にフォルテの音がもっとオープンでビブラートが少なくあって欲しい、その一点だ” と、詳しく説明してくれました。
これで、なぜ最終が変わった審査だったのかわかりました。 ”そんな、私に期待してくれてたなんて”と残念で、 ”その、フォルテの問題に取り組みたいので、レッスンしていただけませんか?もう、何年も誰かに見ていただくチャンスもないのです。” とお願いしました。
12月は忙しくて、1月なら、ということで、 ”何が助けになるか、よくこちらで考えておく”と言っていただけました。
とても惜しいといえば、本当に惜しい結果! でも、音楽家にとって、はっきりした技術的課題、というのが見えてるのと見えてないのでは、大きな違いです。 これからの課題がはっきりした事は幸せなことです。
それに、”日本人はテクニックは良くても音楽性がない”と通称されてるのにたいし、世界一流の方に ”あなたはとても音楽的だ”と言っていただけたのは、私にとっても日本人音楽家の偏見にとってもプラスです。
これからまた進歩したい!そう思えた試験でした。 1月のレッスンまでにちょっと試行錯誤してみようと思います。
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