ドイツの空の音楽日記
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2006/12/31(日) 大晦日
2006年も最後の日となりました。
今年は思いがけない、重要な年でした。
まず、これからの人生の鍵になるような出逢いが幾つもありました。この2006年にあった事を今後生かせるかどうかで人生が大きく変わりそうです。

昨日は”ニューイヤーコンサート”のゲネプロでした。
フルートはもう一人がオーケストラの外から助っ人できてる方で、かなり良い楽器をもってる人でした。

ゲネプロ直前に私が”私の楽器、高音が詰まる感じがしないか、吹いてみて”と言ったので、
”じゃあ、お互い楽器を交換して、色々試してみよう”ということになり、ゲネプロ中、あれこれ楽器交換して試し、小声で
”今のはどうだった”と言い合ってました。

隣のオーボエの方が面白がって”じゃあ僕のオーボエも吹いてみるか”と笑ってました。
でも、その御蔭で普段なかなか試せない、違うタイプの楽器に触れられ、皆が退屈でイライラしてるゲネプロが、私達2人にとっては貴重な体験時間になりました。

それに、私が一月にレッスン受ける予定のベルリン国立歌劇場のフルーティストのことを、”ああ、あの人凄く良い音のレッスンするらしいよ。私の友人はそれで音が抜群になったよ”等教えてもらえ、一月が楽しみになりました。

その後、それをヒントに自分の楽器をすこし外側むけに設置して吹いてみたりと研究してみました。
ちょっとした事で随分表現も変わるようです。

2006/12/30(土) やっと降った雪
暖冬ですが、昨日は激しく雪が降り、”ああ、冬なんだ”
と実感しました。

毎年の事で、ニューイヤーコンサートの練習が始まりました。

今日の夜はコーティ氏で”トスカ”でした。
前回のジェットコースターのようなスピードはそのままでしたが、今日は締めるところ、大いに歌うところ、皆の気持ちが一致しててすごくいい感じの公演でした。

今日は朝からオーケストラと四重奏と練習が続き、夜の”トスカ”の時には半分意識がないくらいくたくたでしたが、いい演奏だと何かしらかえってエネルギーもらえるものです。

コーティ氏は先日奥さんに赤ちゃんが生まれたばかりだそうで、
彼が入場してきた時、オーケストラ皆の足踏がおこりました。(おめでとうの意味)
指揮ぶりもとても幸せそうでした!

2006/12/27(水) クリスマスシーズン
クリスマス時はオーケストラが最も忙しくなる時です。
週末はオペラ”ヘンゼルとグレーテル”をやり、25日は”オルフェウス”今日(26日)は室内オーケストラでハイドンスペシャルでした。

この時期はいつも満員です。今日は前半の、自分が乗ってないチェロ・コンチェルトを客席で聴こうとしたら、全席売り切れで仕方なく舞台袖で聴きました。

マルセルがソリストでした。この忙しいなか、よくここまで準備出来た、と思える立派な演奏でした。

例年チャイコフスキーの”くるみ割り人形”やっていたのが今年からなくなり、これはとても残念です。

24日と25日は合間にクリストフのご両親のうちで鴨をご馳走になりました。注文しておかないと買えない、自然のなかで育てた特別の鴨で、何も付けなくてもおいしかったです。

少しほっとした所で1月2月にオーケストラ以外のコンサートがこれでもか、と言うほどやってきました。
少し計画的に準備していかなくちゃです。
でも、こういうストレスは楽しいストレスです。

2006/12/23(土) ベルリンでの試験
数日間、ベルリン国立歌劇場の入団試験に行っていました。
日本で共演して仲良くなったイータイ(チェリスト)が快く泊めてくれ、彼の婚約者ともの3人でリラックスした時も過ごす事が出来ました。

さて、1次試験、モーツァルトとヴィヴァルディの協奏曲。
最初は皆一緒くたにビービー同じ部屋で練習している所から、本番直前は3,4分だけ、集中するためにと、静かな部屋に入れてもらえました。

”わー緊張してきたかな?”と思った時、突然、”大丈夫、明るく楽しく吹ける!”という思いがわいてきました。

本番、試験場に入っていくと、カーテン審査でしたから、吹いてるカッコウはお構いなしに好きに演奏しました。
だんだん乗って来て、吹き終わる頃には試験と言うより演奏会の気持ちに近かったです。

ドキドキの2次通過者発表、
”@@さん、古賀さん、OOさん、”
選ばれた3人の中に私も入ってました!

ここで審査していたフルーティストが入ってきて、私の隣の人に、”あなた、ここは良かったけど、こことここ、リズムに注意して。もっと個性出して、心込めていいよ。”など、2次に対しての注意をしていました。知り合いだったようです。
わたしは、つかつか近づいて行って、
”すみません、私も何か注意点いっていただけますか?”
とお願いしました。
”あなたは、素晴らしかった!”
試験でこんな事言われないので、びっくりしてると、
”いや、ほんと、とても良く響いて、気に入りました。またその調子で演奏してください。”
周りもびっくりしてるので、
”いや、彼女は本当に特別だったから”

ちょっと嬉しいと言うより、驚きました。
逆に、”チャンス”と思いすぎて緊張しないよう、落ち着いていよう、と思いました。

さて2次、トイレに行ってたら、トイレまで
”次、あなたですよ”と呼びに来られました。
ちょっと心の準備が足りない感じでしたが、まあまあ落ち着いて吹けました。

2次以降はカーテンなしでした。
結局3人とも最終審査に残りました。

フィナーレ、3人並んで座らせられ、色んなオーケストラのソロパートを順々に吹かされました。
それが、全部、高音域のフォルテッシモ(とても大きい音)
のところばっかりなので、ちょっと”なんでだろう”と思いました。
普通は綺麗に歌う部分とか、ピアノ(小さい音)が出せるか、などをもっと重点的に見るからです。

そして、結果は”誰も取りません”でした。

審査が終わった後、審査員の重要な2人が、私のところにやってきました。
”僕たちは1次、2次ではあなたに期待した。
でも、フォルテッシモ(大きい音)の響きがどうも気に入らなくて、それで最終で、何度もフォルテの所ばかりやってもらったが、それがひっかかった。
音楽的には素晴らしい!個性も気に入った。
本当にフォルテの音がもっとオープンでビブラートが少なくあって欲しい、その一点だ”
と、詳しく説明してくれました。

これで、なぜ最終が変わった審査だったのかわかりました。
”そんな、私に期待してくれてたなんて”と残念で、
”その、フォルテの問題に取り組みたいので、レッスンしていただけませんか?もう、何年も誰かに見ていただくチャンスもないのです。”
とお願いしました。

12月は忙しくて、1月なら、ということで、
”何が助けになるか、よくこちらで考えておく”と言っていただけました。

とても惜しいといえば、本当に惜しい結果!
でも、音楽家にとって、はっきりした技術的課題、というのが見えてるのと見えてないのでは、大きな違いです。
これからの課題がはっきりした事は幸せなことです。

それに、”日本人はテクニックは良くても音楽性がない”と通称されてるのにたいし、世界一流の方に
”あなたはとても音楽的だ”と言っていただけたのは、私にとっても日本人音楽家の偏見にとってもプラスです。

これからまた進歩したい!そう思えた試験でした。
1月のレッスンまでにちょっと試行錯誤してみようと思います。

2006/12/19(火) 久々の休暇
明日また自然農法野菜が届く日です。2週間に一度やってきます。
料理する時間のある時は5日くらいで使い切ってしまう時もありますが、今回は結構忙しくて、まだ紫玉葱が残ってます。

今回何が届くかは届いてからのお楽しみですが、一応新しいのが来る前に使い切ってしまいたくて、今日はその玉葱たっぷり使ってカレーを作ってみました。
ルーはないので、カレー粉のみで、フレッシュチーズやソース、醤油などでなんとかカレーらしくしてみました。
玉葱のおいしさで、結構おいしくなりました。

クリストフがずっと風邪で、”玉葱は風邪にいいんだ!”と喜んでくれました。
”でも、こんな良い玉葱、いつまた手に入るかわからないから、クリスマスまで少しは取っといてくれ”

明日、また何が届くのか楽しみです!

2006/12/17(日) 初めての仏頂面
今月のシンフォニー・コンサート、いつもと違って交響曲でなく、オペラ”ヘンゼルとグレーテル”を演奏会形式で、との事でしたが、蓋を開けてみるとオーケストラは舞台の後ろで照明なしでバックとなり、歌手と役者と子供達が中心になってました。

これはこれでクリスマス・シーズンの良い出し物でしたが、月に一度の、オーケストラが花形になるはずのシンフォニー・コンサートをそうしなくても、、と言う思いはありました。

しかも、曲の終わりとか、静かな所とか、オーケストラがまだ演奏続けてるのを無視した演出も多く、コーティ氏は珍しく仏頂面を見せてました。

私に不思議だったのは、なぜコーティ氏が仏頂面になったのか、不思議がるオーケストラ団員がほとんどだった事です。
”主役であるはずのオーケストラが、今回ただのバックにされたからよ”と私が言って、”そういえばそうか”と言う人が多い。
良い意味で”我”がないのかな。

私はいつもテンペラメントいっぱいで、怒った時もそれをはっきり見せるコーティ氏に逆に好感持ちました。
怒ったといっても、音楽を大切にするが為の怒りですから。

でも、非常な人気で、来週も急遽あと2回、この”ヘンゼルとグレーテル”をやることになりました。

2006/12/14(木) クリスマス
今日は今から”ヘンゼルとグレーテル”のゲネプロ、夜が本番です。
オペラを、コンサート形式で、歌手がオーケストラの中を駆け回りながら芝居的要素も交えてやるのだそうです。

こんなに大編成で響きとしてはワーグナーやマーラーのようなオーケストレーションで、こんなに透明感ある、子供でも親しめるような色のある曲も珍しいです。
クリスマスを思わせるメロディだし。

街ではクリスマス市場が立ち、夜は中心街は歩けないほどの人で賑わってます

2006/12/12(火) 朝焼けの中で
今週は忙しくて、帰ってくると鉛のように疲れてます。
でも、今練習のあってるオペラの”ヘンゼルとグレーテル”、
曲はとても綺麗です。
フンパーディングと言う、無名の作曲家ですが、このオペラだけ有名になっています。

オーケストレーションはワーグナーの影響受けて分厚い響きですが、精神はメルヒェンの夢を持った、優しいものです。

10日後には自分の大事な本番も控えているので、オーケストラの練習前に、5時おきで4時間練習してみたりとか、やってみましたが、夜が何せ遅いのでちょっと疲れが残ってしまったようです。

でも、まだ星の出てる中、誰もいない歌劇場で朝になっていく様子を眺めながらの練習も楽しかったです。

2006/12/09(土) スポーツか温泉か
このとこ運動不足を感じて、なるべく歌劇場の行きか帰りを一時間以上かけて歩くようにしています。

今日は、夜の本番の後歩くつもりでしたが、時間遅いし、一日中楽器演奏しっぱなしでさすがに疲れ切ってて、結局電車に乗りました。でもそれで、ちょっとバランス取れてないのがわかります。

楽器の演奏は偏った筋肉使うので、気をつけないと、アンバランスから腱鞘炎などになる人も少なくありません。

毎日のストレッチなども助けになるのですが、冬になると日本の温泉がなつかしいです!!

2006/12/08(金) ジェットコースターなみ
今日はプッチーニの”トスカ”でした。
プッチーニはイタリアの情熱とフランスの色彩感覚を併せ持った作曲家と思います。
劇的音楽になってもどこか透明感も失わない、それぞれのメロディもモチーフも涙が出るほど美しい。

私が一番好きなのは”蝶々婦人”ですが、この何年かやってないですね。

それにしても、今日は演奏のテンポ、”やたら速いなあ!”
と思っていたら、いつも2時間半かかる曲、ほとんど2時間で終わってしまいました。
テンポはどんどん速くなって、しまいにはジェットコースターから振り落とされそうになる感覚でした。
お客さんは大喜びでしたけど、、。
オーケストラにはいい訓練かも、、。

12月絵日記の続き


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