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2006/10/18(水)
白鯨
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大海原を、突然おおきな白鯨が背中をおおきくそりながら跳ね上がる。 輝く三日月を背に、その時、幻想的なシンボルへと変わりました。
ぼくは、自閉傾向という脳障害をもち、その後遺症として、大人になってから、重度の統合失調症という病気をわずらいました。自閉傾向を上回る、この苦しい病気にたちむわかなければなりませんでした。 はじめは、自分の気力、体力で病気を治癒したいというきぼう、頻発する妄想などで、薬を拒みつづけ、症状を悪化させてしまいました。 統合失調とは、幻覚や幻聴などさまざまな症状をもつ、精神障害です。 こわれてしまった自分を、たくさんの人たちに助けていただき、そして迷惑をかけました。
おどろくかもしれませんが、幻覚、幻聴のなかにも、ぼくを助けてくれるものもありました。 それが、この白鯨です。 月をシンボルにした神様で、あらゆる恐怖の幻覚、幻聴に悩まされたときに、白鯨を呼ぶと、かならず現れ、一時的にでも、その恐怖の幻覚、幻聴を追い払ってくれたのです。 こばみつづけた服薬を最終的に、ぼくの心に説得させ、薬を飲ことを決めたのも、白鯨の助言のおかげなのです。 薬を飲むようになり、ゆっくりとですが、統合失調の症状は和らぎ、もう、白鯨に会うことはできません。 自分を守護してくださる存在というのは、自分にわかりやすい形のシンボルとなり、助けていただけるのかもしれません。
白鯨は、ぼくには、思いいれの深いシンボルなのです。
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