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2012/01/17(火)
領主、なのは様! 10-3
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ではでは、以下よりなのは様10-3です。 10-1を見直してから、10-2を想像しつつ10-3へ進むことをお勧めします(笑)
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クラリオンの街の病院の一室。 そこには二人の患者と一人の女の子、それから付き添っていたなのは達三人が眠っている。 あの後もちろん無事に街まで辿り着いたなのは達は、病院へ直行すると薬の調剤と女の子の保護を願い出た。 時間内に無事に戻ってきたなのは達に対し、病院の医師達は快く引き受けてくれて、無事に二人に薬を投与することが出来た。 それでも二人が目を覚ますまで帰らない、と頑なに言い張るなのはに付き添う形でティアナとリインも病院で一夜を明かした。 そして……
「ん……もう朝か……ふぁ……はっ、フェイトちゃんとはやてちゃんはっ!?」
テーブルを枕代わりに寝てしまっていたなのはは、状況を思い出して飛び起きた。 慌ててベッドのフェイトとはやてを覗きこむ。
「ん……すー……」 「んん……くぅー……」 「……はぁぁぁ〜〜……」
すっかり症状も落ち着き穏やかに眠っている二人を目にして、一気に身体から力が抜ける。 なのはは崩れ落ちるように、二人のベッドの間にぺたんと座った。
「ん、んん……? ……あれ、ここは……?」 「ふ、ぁ……ん? 私、なんで……?」
直前までの記憶しかないフェイトとはやては、見覚えの無い天井に目を白黒させる。 二人の様子はもう既にいつものそれで、熱病は痕跡する残さず綺麗に消えた。
「んー? あれ、なのは?」 「なのはちゃんどないし……ってわぁっ!?」
身体を起こして、ベッドの間に座り込んでいるなのはを覗きこむフェイトとはやて。 何を言おうか迷ったなのはは、結局何も言わずにそのまま二人に抱きついた。
「ちょ、なのはちゃん、落ちる……!?」 「な、なのは、え、ちょっと、落ち着いて……」 「ん、んん……あぁっ! 心配したですよはやてちゃーん!!」 「っ……いけないうたた寝を……あ、フェイトさん、目が覚めたんですね」
そうこうしているうちにリインとティアナも、騒がしくなってきた病室に気が付き目を覚ました。 状況がまったく分からないフェイトとはやてはさらに混乱した。 ……心配した、って……何が?
「あぁ、覚えてないんですね。お二人とも熱病で倒れたんですよ」 「すっごく心配したですよ〜」
そう説明を受けて初めて自分たちが倒れたことを知った二人は、同時になのはの行動にも合点がいった。 ……きっと凄く心配してくれたのだ。
「心配かけてごめんね、なのは……」 「助けてくれてありがとうな、なのはちゃん……」 「……うん。二人が治って、よかった……」
ギュッと二人を抱き締めるなのは。 やっと手に入れた幸せを、こんな形で失くすなんて絶対に嫌だった。
「あぁそうだ、二人が起きたこと先生に知らせてこないとですね」 「あ、それでしたらリインが……」 「んん……んぁ……」 「!?」
抱き合うなのは達の代わりに、ティアナとリインが医師を呼びに行こうと立ち上がる。 と、その時、寝ていた女の子が身じろいだ。 よかった、この子も無事に目覚めてくれた……そう皆が安堵する中、彷徨っていた少女の視線がなのはで止まる。 首を捻るなのはに構わず、じっとなのはを見つめたまま少女は言った。
「……ママ?」 「……え?」
病室の空気が一瞬にして凍りつく。
「ふぇ……ふぇぇぇぇっ!?」
そして、冷たい視線にさらされ、叫ぶなのはを放置したまま、少女は再び眠りについたのであった。
THE NEXT STAGE NANOHASAMA3!
……To be Continued
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