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2013/02/09(土) 徒然なるままに
大河ドラマ「八重の桜」への違和感は以前にも書きましたが、結局綾瀬はるかが好きになれないということに尽きるな…。

私は新島八重について詳しくは知りませんが、よく言われるのは同志社の学生から「悪妻」「鵺」と言われて評判が悪かったと。

それはむしろ納得のいく話で、女性でありながら銃を手にして戦うくらい気の強い人であれば、周囲とぶつかって当然だし、ぶつかった結果反感を買うこともままあったでしょう。しかし新島襄からは「生き方がハンサム」と評価されているのだから、人によって好き嫌いがはっきり分かれる女性だったのだと思います。今でもそういう人は一定数いるので、そのこと自体は珍しくもなんともない。

問題は、そういう人物であった八重を演じるのが綾瀬はるかということ。彼女は(実際にはどうか知りませんが、少なくとも方針としては)「天然」で「おっとり」して「素朴でピュア」な「愛されキャラ」で売っている(※)人でしょ。周囲と軋轢を起こして憎まれる役を彼女が演じるところは想像できませんし、天然イメージ維持の点でも事務所が許さないはず。

となると必然的に、綾瀬八重は誰からも好かれる八重になるしかないのです。

出会う人、出会う人、みーんな八重を好きになる。

兄含む家族はもちろん、幼馴染の男の子も、未来の夫も、女友達も、一人残らず八重を愛してくれる。誰も八重を嫌いにならない。

とはいえ、八重は自己主張の強い女性だったという事実まで変えることはできないのですから、綾瀬八重は「気の強い、当時としては変わり者の女性」であるにも関わらず「誰からも愛される」という、理解不能な事態になってしまうのです。「そんなうまい話があるか!」と言いたくなります。主張を通そうとすれば敵を作る方がむしろ普通だと思うのですが、そうならないドラマって、主人公に甘いよね。

まあそうは言っても、「周囲と軋轢を起こしまくる八重」にしてみたところで、そんな役を演じられるだけの演技力が綾瀬にあるとも思えないしね…。今のところは役年齢<実年齢なので何とかそれらしく見えている(あくまで致命的なダメさではないというだけで、大した演技はしてないと思う。覚馬より出番が少ないことに救われてる)けれど、八重が30代、40代と年を重ねて役年齢>実年齢になったら、どうなるんだろ。SK-IIのCMに出てるんだから老けメイクは御法度で、そうなったら演技で加齢を表現するしかないのでしょうが、それができるかどうか大いに疑問。ただでさえ下手なのに。

そもそも「八重の桜」自体、面白いか?と聞かれると「うーん…」という感じです。キャラクターは良くも悪くも優等生的なのばっかりで魅力的な人物がいないし、ストーリーも(史実に照らしてどうか、というのは私は判断がつきませんが)、減点されないように、されないように神経を遣いながら作ってる感じがします。その結果、「減点要素はないが加点要素もない」という退屈なドラマになっていると思います。少なくとも私のツボではないわ…。

※ 30歳目前で天然キャラってのもどうかと思いますけどね、同年代の人間としては。30過ぎても、何もないところで転んで「えへへっ」とか言うつもりなんでしょうか…あいたたた…


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