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2012/09/03(月)
「平清盛」第31回「伊豆の流人」
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第三部スタートです。演出は頼れる柴田岳志さん。
主なイベントは順仁誕生→六条帝即位→二条院崩御ということで、1164年〜65年の動きが描かれます。
伊豆に流された頼朝(18)は、中川大志さんから岡田将生さんにバトンタッチ。峰竜太さん、遠藤憲一さんら伊豆組キャストも登場です。
OP映像はなんと!清盛が直衣になりました。深紅の扇子をかざして舞う姿が、きりりとしてカッコいいです。うんうん、いいじゃないですか。手の動きがきびきびしてるのが良いです。
京では、大輪田泊の開発案を一門に明かす清盛(47)。瀬戸内は狭くて唐船は通れないと兎丸が言えば「広げればよい」。どうやって瀬戸を広げるのかと教盛(37)に聞かれれば「掘ればよい」。このやりとり、清盛の非凡さがサラッと描かれているいい場面です。発想のスケールが凡人とは違うと。
11月、二条帝(22)には皇子・順仁が誕生しますが、政務に関われない後白河上皇(38)は面白くなく、仏道にのめり込んでいきます。それを察知してか、すかさず蓮華王院(いわゆる三十三間堂)を造営して後白河に差し出す清盛。その報酬として、重盛(27)が参議に加わることができました。
そういえば忠盛も、鳥羽院が精神的にすさんでるときに仏堂をつくってあげていましたね。二世代で同じことをやっている。
一方の池殿では、池禅尼が体調を崩していました。
で、伊豆。
頼朝の監視役・伊東祐親は、大番役のために京へ行くことになりました。ここで美貌の娘・八重姫(15歳くらい?)が登場。 父「美しゅう育ったそなたを見るのが楽しみじゃ、達者で暮らせ!」 娘「はい!(笑顔)」
留守中に何か起こるね、これは。
頼朝のもとには遠藤憲一演じる北条時政(27)が野菜を持って訪れます。どう見てもナイスミドルですが27歳です。はいそこ、あ然とした顔をしない。「私、どうも農業のほうが向いてるらしくて…」という、饒舌ではない朴訥な人柄という設定のようです。
そこへやって来たのは祐親の家人。「祐親様が帰ってきたらびっくりするくらい、都のことを教えてあげてほしい」と、さきほどの八重姫を連れて来たのでした。主人にサプライズを用意しようと思ったのですね。
何か起こるね、これは。
乗り気でなかった八重姫ですが、縁側(?)で笙を吹いていた頼朝につい見入ってしまいます。
目が合う二人。
何か起こるね、これは。
一方の京では、二条帝が蓮華王院を訪問しないことに後白河院が苛立っていました。清盛とともに二条帝に拝謁した重盛は、そのことをチクリと帝に言ってしまい、清盛が激怒します。後白河院とは付かず離れずで、大原則は二条天皇親政を支えることなんだよ!分かってんのかお前!と怒鳴る清盛。
しかし、重盛だって院近臣の成親を義兄に持っているのですから、院をないがしろにはできません。正面切って盾つく重盛に、清盛は「邪魔立てだけはするでない!」と吐き捨てます。清盛の怒ってる顔がうまい!
重盛のこういう主張の仕方は清盛の子どもたちの中では貴重で、宗盛以下の息子達は基本的に「父上すごーい!ついて行きまーす!」というメンタリティなんです。時に声を荒げてまで反論するのは重盛くらい。「清盛と丁々発止で渡り合った」という経験の有無は大きく、そのために重盛は宗盛以下の弟たちより、一段も二段も高いレベルに立っているわけです。
一人でぼんやりしていると、「重盛様は若き日の殿のようですな」と盛国に言われる清盛。
「わしはあのように青臭うはなかった!」
はい皆さんご一緒にー!
嘘つけー!
重盛の方が数段マシである。
さて、後白河院と険悪な仲だった二条帝(23)が危篤に陥ります。見舞いにきた清盛に、自身の直系である順仁(2)に譲位すると言明。約20日後に世を去ってしまいました。 先帝の葬儀がしめやかに執り行われる中…
出た、今様パフォーマー!
大音量で息子の葬式に乱入して何を言うかと思えば、「なんで蓮華王院に来なかったの?来ないからこっちから来てやったわ」。
この凶事に際してまでそれかい。
さすがに摂関家や平家メンバーも引き気味です。キレた清盛(48)が輿を庭に放り出して後白河院に諫言。息子が死んだときにまで「自分が、自分が」なのかと。構ってちゃんかと。大人になれと。お前なんか政治にタッチさせられないから二条帝の路線を支えると。
すると後白河院は、「二条帝の路線ったって、後継の六条帝は赤ん坊じゃん」ということに気づいたらしく「要するに清盛が政治を動かしたいわけね?」とピーンときます。こういう所はやけに鋭いらしい。後白河院としては、「政治にタッチできるかと思ったら、できない」の繰り返しなのでもどかしいんですよね。政治の実権を自分の前からかっさらっていく人が、その時その時で信西だったり二条帝だったり清盛だったりする。「みんなして朕を人形みたいにして利用して!なんか腹立つ!ムキー!」って感じなんでしょう。
そして六波羅では、ついに池禅尼が危篤。清盛に「あとは頼みましたぞ」と告げ、目を頼盛(34)に向けると「絶やしてはならぬ」。我が子であり、正妻から生まれたうち唯一存命である頼盛に、平家の血筋を守れと命じ、閉眼。第一話から登場して平家の精神的支柱となっていた宗子さん、お疲れ様でした。中井忠盛との夫婦役も似合っていましたし、いい配役でした。
伊東祐親は二条帝葬儀での清盛の振る舞いに恐れ入り、「なにか粗相でもあれば、伊東一族などひとたまりもあるまい」と厳重警戒モード。そしてその危惧は、残念ながら的中していました。
頼朝と八重姫は波長が合ったらしく、親密な仲になりつつあったのです。
第三部スタートということで、摂関家や清盛の息子達が次々と新キャストとなり、見ごたえがありました。次回以降も楽しみです〜。
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