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2012/09/11(火) 室町ことばを試してみる
最近ちょっと室町〜江戸初期の話し言葉に興味津津でして、この時代を描いたドラマで当時の口語をできるだけ取り入れたらどうなるのか?と思いました。最近のドラマで、室町〜江戸初期を描いたものといえば昨年の大河ドラマ「江 姫たちの戦国」しか思いつかなかった私は、NHKオンデマンドで210円を払い、テキトーに選んだ第7話「母の再婚」を購入。試しに、当時の口語を台詞に取りこんでみました。状況としては信長が死んだ後、後継をどうするかという回です。

<浜松城>
酒井:織田家においては、跡目争いになるべい。それも、次男・信雄様、三男・信孝様の一騎打ちにござっつろう。織田家筆頭家老・柴田勝家あたりは真っ先に、信孝様をかつぐべいな。
本多:殿はどちらに方人(かたうど)させられまするか?
家康:知らぬ。
家臣:…し、知らぬ?
家康:ここで旗色を明らかにしょうずれば、ろくなことにならぬ。だんまりを決め込むに越したことはあるまじい。
酒井:しからば、後に有利な方にお付かせあると?
家康:それも分からぬ。今しばらくは高みの見物じゃ。これは織田信雄・信孝の一騎打ちであるとともに、サルと柴田の一騎打ちでもある。
酒井:羽柴殿と柴田殿の?
家康:しかし勢いに優るはサル。何か仕掛けを繰り出すやも知れぬべい。

※浜松なので「べい」を入れて方言っぽさを出してみましたが、地域が違っていたらすみません。

<秀吉と千宗易>
秀吉:はっはっは。茶がうまい。一段とうまい。
宗易:中国大返しのことは、よう伺うておざる。
秀吉:まあ言葉は悪かれど、「ざまあ見い」じゃ。ははは。さてもさても、よもや御屋形(おやかた)様が…御屋形様がこの世からお失せあろうずるとは…(泣きだす)
宗易:忙しいお方じゃのう。晴れたり雨を降らしたり、節操というものがおりない。
秀吉:節操がないは宗易殿も同じではござらぬか。
宗易:はて。
秀吉:知らぬとは言わせまじいぞ。身共が茶頭(さとう)になってくれさしめと試しに言うたらば、二つ返事で引き受けたはいづくのお人じゃ。恩あろうずる織田家にさっさと背を向けやって。
宗易:恩などおざらぬ。
秀吉:何じゃと?
宗易:それがしはただ、茶を点ててきただけにおざる。どこでも、どなた相手でも、これからも茶さえ点てられれば文句はおざらぬほどに。
秀吉:ほう、さすが名人と呼ばれるだけのことはある。茶のためなら心を売ると申すか。
宗易:心だけではおりない。この身も売りまらしょうずる。(秀吉がおののく)まちっとお上がりあれ。
秀吉:頂こうず。
宗易:しからば、織田様がお好かせあった茶碗で。
秀吉:御屋形様の?(立ち上がる)その方も知っておろう。御屋形様のお二人のお子を。
宗易:信雄様と信孝様。
秀吉:御屋形様が失せられたによって言えるが、あと継ぎとしては器が小さや、小さや。
宗易:なるほど。
秀吉:この身共がせめていずれかの後見となること、叶えばよかれども…(座る)百姓出の者など、拒まるるは明らかじゃほどに。
宗易:織田家の世継ぎ…その名に値するのは、お子だけにおざるか?
秀吉:それは、いかなことじゃ。
宗易:別(べち)のことでもおざらぬ、ふと思うただけで。
秀吉:そうか、それには気がつかなんだ。(立ち上がる)宗易殿、この恩は忘れまじい。
宗易:茶は?
秀吉:御屋形様のお好かせあった茶碗でなど、もったいのうて飲めることではない。(出ていく)

<清州城>
おねが来たと聞いて、探す江。

江:いずこにおりゃるぞ?

ある部屋の前で立ち止まると、障子が開いて子供が飛び出してくる。

江:あら、痛や!
おね:法師様…
江:おね殿!
おね:姫様!

子供が走り出す。

おね:御免おくりゃれ。法師様!(追い掛ける)

江が子供に通せんぼをする。

江:捕まえた。

部屋に入る三人。

おね:お久しゅうおりゃりました。また、御屋形様のこと、なんと申し上げればよいか。
江:なかなか。
おね:わらわにとって、あれが御屋形様にお会いした最後となりまらした。
<回想>
信長:サルめの女房、おねじゃ。サルめは、あのはげネズミはいかがしていやる。
おね:相変わらずにおりゃらします。
信長:わごりょの扱いが粗略な時は、いつでもわしに申さしめ。
<回想終わり。おねが我に帰る>

おね:これは失礼いたしまらした。
江:(子供を見て)お名はなんと?
おね:それが、存じまらせぬ。
江:存ぜぬ?おね殿の子ではおりゃらぬのか?
おね:わらわ共に子はおりゃらぬほどに。
江:さようにおりゃったか。
おね:夫(つま)が「法師様」と呼びまらするによって、わらわ共もそのように。
江:ほうし様?

なかが入ってきて話し、ついで秀吉が入ってくる。この辺、面白くないので省略。

江:それより、あの童(わらんべ)は何者におりゃるぞ。
秀吉:あの童とおしゃりまらすると?…それは、その〜、親戚にござる。親戚の子にござりまする。
江:親戚?
おね:さようにおりゃるか?

秀吉、おねに目配せする。

おね:(江に)あの、にわかにお城に上がることとなり、しからばあの若君が待っておりゃったによって…
秀吉:さようにござる。戦で身寄りを失うた子がおると聞きまらしたによって、そうなるとこの秀吉、黙っておられぬ性分にござりまする。急いで引き取りに行かせまらして。
なか:親戚とは、どこの親戚ぞや。
秀吉:母(かか)は黙っておれい。(江に)このところすこぶる忙しゅうて、この者どもに話いて聞かせる暇もござりませなんだによって…二人とも黙っておれ。
なか:なんも言うておらん。
秀吉:ということにござりまする。
侍女:(廊下から)姫様はいづくにおりゃらしますぞ。
江:されば、わらわはこれにて。

あ、これくらいならドラマに取り入れてもそんなに難しくないんじゃない?と私は思ったのですが、どうでしょうか。「おりゃる」や「おざる」「〜さしめ」といった響きが私は結構好きなのですが、やはり聴き慣れないですかねえ。


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