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2012/07/06(金) 「平清盛」第25回「見果てぬ夢」
由良様さよならスペシャル&平治の乱開幕

今回は、藤原経宗(36)と藤原惟方(35)が初登場。それぞれ二条天皇(17)の叔父と乳母子で、演じるのは有薗芳記さんと野間口徹さんです。

前回昏倒した由良御前。病臥しつつも、朝廷で冷遇されている夫を心配していました。健気です。

内裏では、算木を所狭しと並べて租税収入を計算する信西(54)・師光ら。訪ねてきた清盛(42)に、妻の朝子(紀伊の二位)が信西の博学ぶりと留学への熱意を教えてあげるのでした。ここは「平治物語」挿話の再現です。(磯智明CPのツイートによると、信西が流暢に宋語を話すこの場面を阿部サダヲさんは完ぺきにこなしたらしい。なんてデキる男。)

しかし平治の乱は確実に近づいてきており、当時の政界の情勢を頼朝が説明してくれます。二条帝の親政を主張する経宗・惟方と、後白河院政派が対立していたのです。そして院政派は一枚岩ではなく、後白河院(33)の寵愛を利用して昇進を狙う藤原信頼(27)は、それを正論で阻む信西を排除したがっていました。(経宗を演じる有園さん、憤って顔の筋肉がプルプル震えてるのがうまい!)

そして次のシーン、冬直衣で後白河院と踊ってる塚地信頼が絶妙にキモい。 キモカワイイとも言えるかもしれない。

そこへ呼ばれた信西。信頼が近衛大将の地位をおねだりしたので、院は「任じてやってくれ」とこともなげに言います。(寵臣がねだったら官位をホイホイやることに疑問を感じていないマー君もマー君ですが。)当然、断る信西。怒る信頼。

信西は白楽天の「長恨歌」を後白河院に届け、いさめようとします。玄宗皇帝が楊貴妃にのめりこんで唐は滅んだ、信頼をひいきし続ければこの国が滅びます――と。

信頼=楊貴妃?

よく分からんがそういうことにしておきましょう。(ちなみに後白河院と信頼は体の関係だったそうです。)

開始から15分経ってようやく主人公のまともな出番がきます。

義朝(37)と話す清盛。妻が病気と聞き、「宋の薬が入り用なら、いつでも言うてくれ」と申し出ます。かつて入手できずに、明子を失わなければならなかった宋の薬。今はもう手に入るのです。もし友がそれを必要とするなら惜しむことなく――と清盛は思っているのに、義朝はそんな背景は当然知りませんので、「信西と手を組んで得たものなどいらん」と拒否。信西に冷遇されて焦り、余裕がなくなっていたのです。義朝が進む方向を見失っていることを知る清盛。

で、平治元年二月十九日。ウグイスのさえずりのごとき美声の上西門院(34)の殿上始(てんじょうはじめ)の儀で、清盛と頼朝が対面します。緊張して酒をこぼした頼朝(13)を、清盛は厳しく叱咤…したかと思うと、温かい笑顔を見せたのでした。中川大志さん、目力ありますね。ここの清盛の発言は、迷走しつつあった源氏全体への叱咤と考えたい。

頼朝がとぼとぼ帰宅すると、母・由良に死前兆候が出ていました。義朝はなりふり構わず「清盛に宋の薬を都合してもらう」と言い出しますが、平氏に頭を下げるなと言って止める由良。「そなたの命に代えられるか!」とキレ気味に愛の告白をされ、

「あれ、殿らしゅうもない…されど…うれしや…」

とつぶやくのでした。なんていじらしい台詞ですか…。涙腺揺さぶられましたわ。

そして10日あまり後、由良は帰らぬ人となりました。

清盛は信西の精力的な仕事ぶりを見て、「この人に賭ける」と決意します。信西の経済政策が優れていたことが示されているのもいいですね。

義朝はなぜか常盤(22)に振られてしまい、アヴェ・マリアとともに寂しく背を向けて去るのでした。そして信頼に呼び出され、「おまえ信西を恨んでるんだろ?俺もあいつ邪魔なのよ。殺っちゃえYO!」と言われますが、「いくら何でもそれは」と固辞。今まで支えてくれた由良は他界して、常盤には拒まれて、どうでもいい信頼が接近してくるという、あまり人間関係に恵まれてない状況になっちゃってます。

そんな密談は知らない信西は、遣唐使復活の目途が立ったと徹夜明けハイで大喜び。大願成就のため、熊野詣に行くよう清盛に勧めます。「出立じゃー!」と一門を鼓舞する清盛の晴れやかな顔、すごく好き。どんどんいい表情になってきました。

義朝は信頼と組むことを決意し、経宗・惟方・信頼・成親(22)が待つクーデター実行委員会に姿を見せます。

内裏では、信西が相変わらず熱心に算木を並べて試算を繰り返していました。その算木が音を立てて揺れ始め、信西は異変の発生を知るのでした。

♪床の算木が〜揺れ始めたら〜反乱〜♪(ブルーライト・ヨコハマのメロディーで)

この場面、すごくよく考えられていたと思います。「ちりとてちん」をほとんど見ていなかった私は本作が初めての藤本脚本ドラマなのですが、改めて思うのは「リフレインがうまい」「小道具使いが効果的」「史実エピソードのふくらませ方がうまい」。

信西が計算に使っていた算木の音が夜遅くまで内裏に響いていたというのは「愚管抄」にあるエピソードなのですが、それを信西の必須お仕事道具として使用場面を何度も見せ、それが揺れることで乱の勃発と信西の最期を示す。算木が信西の象徴みたいになっているんですよね。

頼長のオウムもそうなのですが、史料に数行あるだけのエピソードがうまいことふくらまされて、ドラマの中で大きな意味を持ってくるというのは、前からこの時代を好きだった者にとってはたまらないのですよ。

そして今回良かったのは経宗・惟方。何か企んでいそうなんですが、「大物悪党」ではなくて小ずるい感じが出てたのが面白かったです。小悪党というか…。眉なし白塗りメイクだと、表情演技の巧拙が如実に出るなあと改めて実感。野間口さん、台詞のない場面でも表情だけで芝居してましたね。


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