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2012/07/30(月)
「平清盛」第28回「友の子、友の妻」
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安定の柴田岳志演出です。「今週良かったなあ」と思う回は柴田演出のことが多いので、やはりうまいのですね。
まずは頼朝(13)。父・義朝(37)や正清(同)らわずかな人数で東へ逃げますが、父が「髭切」を持っていないことに気づいて探し始めると、
迷子になってしまいました。
「迷子のお呼び出し」が必要ですね。 そしてやっぱり、雪降ってないのね。これは前回に引き続いてちょっと物足りない点。
京では、信頼(27)と成親(22)がほうほうの体で仁和寺にたどり着いていました。先に仁和寺に逃れていた後白河院(33)が二人をいたわるようなことを言うのですが、
紀伊の二位様の目がすわってるんだからただで済むはずがないのです。
無言で成親にお酌をするときの微笑が恐ろしいです朝子さん。案の定、既にその場にいたらしい教盛(32)に捕縛される二人。処分を任されている清盛(42)のもとに連行されます。
主犯格でなかった成親はお咎めなしとなるものの、清盛は「またこんなことしたら身内とは思わない」と厳しい一言(重盛による助命はなし)。鹿ケ谷への長い伏線がスタートです。
信頼は容赦なく斬首決定。「志なき者の一生が面白うないは道理」という清盛の一喝、鳥肌が立ちました。志があった信西は殺されてしまったのだものなあ。
再び源氏の逃避行。朝長(16)は美濃の青墓で、父の手にかかって亡くなります。義平(19)は「北国(=北陸。キタグニではなくホッコク)へ行く」と言って義朝・正清から離れますが、「斬首となった」(頼朝ナレ)。
【速報】源太の斬首、ナレーションで終わり
あっさり処理されちゃいました。波岡悪源太が似合っていたので、斬首の瞬間までふてぶてしかったところを見たかったのですが、まあ今回は頼朝やら常盤やら、事後処理しないといけない人たちがたくさんいますからね。
年が明けて平治2年1月4日。
正清(38)の義父・長田忠致のもとに逃れてきた義朝主従。「風呂の支度をする」と言う忠致。義朝湯けむり殺人事件キター!と思ったらなぜか義朝が忠致の心変わりに気付いてるー!
「もう木のぼりは終いじゃ」と正清に告げる義朝。雪の降る庭に飛び出すと、そこここに臨戦態勢の武士が潜んでいました。目配せして互いを刺し殺す義朝主従。
何かあれですね、婿とその主人が逃げてきたので家に入れたら、目の前で心中しちゃったっていう…。
忠致「なんで俺、男2人の心中を見守らにゃいかんの?こいつらデキてんの?だからってなんで人んちの庭で心中すんの?ねえ何で?」
いや本当は忠致は真っ黒なんですが、この場面の忠致さんが純粋に驚いているように見えまして。
さて義朝客死の報を受けた清盛(43)は依然冷静。「頼朝を探し出せ」と指示を出します。このあと、廊下で一人になったときに黙って目を閉じてるのが悲痛でした。一門の前では取り乱さないけれど、実際にはショックを受けているという。
その頼朝(14)がついに捕縛。六波羅に連行され、父と正清、そして二人の兄の最期を聞かされて泣き崩れます。ここで盛国が「無理もございませぬ、宗盛様と同じ14の若者…」と言って「頼朝と宗盛は同い年」であることをさりげなく示しています。本作ではこの2人が子供のころから対比されているのですが、これは宗盛にはつらい。
このあと宗盛が頼朝に因縁をつけに来るのですが、言うことが小物だ…宗盛…。(*´Д`)=3
常盤(23)はどこかよく分からない場所(少なくとも京ではないようですが吉野なのかどうかは不明)で牛若(1)を産み、六波羅へ行くと決意。のちに弁慶となる鬼若と牛若が初の顔合わせ。
その六波羅では、池禅尼が「頼朝が家盛に似ている(顔ではなくて性格が)」と言い出しますが、相手にしない清盛。平治物語にあるように断食するのですが、家貞(77)が水を差し入れてうやむやに。
で、問題の常盤母子出頭。
教盛、身を乗り出してる!めっちゃ乗り出してる! 本作の教盛、単純だよねえ。面白いからいいんですけど。
常盤はいったん下がらせ、いよいよ頼朝処断。
頼朝の中では「武士=武力」なので、商社みたいなことをやって財をなしている平氏なんて真の武士じゃない、そんな者たちが作る世なんて見たくないから殺せー!と吠えます。が、清盛にしてみればそんなものは源氏の自己満足。世を変えるため、朝廷に食い込んでいくためには財力が必要だったのです。それをやる才覚がなかった源氏は「できないこと」を「必要ないこと」だとして否定し、武力のみで突進したら案の定負けたのでした。その挙句に「武力がすべてだというポリシーを守ったまま死にたい」って、なにオマエ現実逃避と自己満足と負け惜しみの三連コンボかましてんの?というわけで、清盛からすればちゃんちゃらおかしい。
「何が『潔く死ぬ』だバーカ、生きる方が大変なんだよ!」というわけでした。
そして本日の最難関、常盤との同衾。
これはTL上で「わからん」「わからん」「何だあれは」という声が続出でした。確かに分からない。自身の母と常盤を重ねているような清盛の発言からすると、
母性愛に飢えて常盤を求めるという、「オイディプス」ばりのマザコン場面にも取れてしまうのですが、それはさすがに気持ち悪い。
でも常盤はこの場面で押し倒されても、「私は源義朝の妻」ときっぱり言っていたところからすると、彼女は心が揺るがない女性で、そういう「か弱く見えて気丈」なところに清盛がグッと来た、くらいの解釈でいいのではないでしょうか。
で、ラストで清盛が公卿(三位以上)に昇進。貴族たちが頭を下げて道を空けてます。いけー清盛ー!
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