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2012/05/04(金) 「平清盛」第15回「嵐の中の一門」
 久安5(1149)年。前回ラストで帰らぬ人となった家盛が、物言わぬ帰宅を果たします。享年23歳。
 このアバンタイトルは、宗子さんがぶっちぎりで持って行きました。ここまで、忠盛(54)の舞子への思いに動揺しつつも平静さと丁寧な物腰を保っていた彼女が一気に崩壊。「嘘じゃ、嫌、嫌、嫌じゃ!」「触るでない!」。「ですます」を取り払った、心と外界の間に何重にも置いていたであろう堰を全て押し流す、生々しい言葉。和久井さんは宗子役を「難しい」と思っていたそうですが、この場面は見事でした。

 清盛(32)邸を訪れ、家盛が落馬の寸前「兄上」とつぶやいたと伝える頼盛。頼盛はどこか冷めており、清盛との間には距離があるようです。

 落雷で燃えてしまった高野山宝塔の責任者となった清盛。7月に高野山へ行くと、佐藤義清改め西行に偶然出くわします。1140年の出家以来、9年ぶりの再会です。23歳だった二人は32歳。言葉づかいも丁寧になっています。「お前何してたの?」という同窓会のような雑談をしていると、近所の娘たちが押し掛けてきてプレゼント(食料)の嵐。イケメンは頭を剃ってもイケメンで、若い女性にモテモテとは、何という世の不条理でしょうか。(それにしても、本作の坊主頭メイクは本当に坊主に見える。)

 翌、久安6(1150)年。近衛帝(11)が元服し、左大臣頼長(31)の養女・多子(まさるこ)が入内。多子をドラマで見られるとは、うれしい!一方の忠通(54)も、養女・呈子(しめこ)の入内を画策。

呈子… (・ω・)

見た目はどうも、残念な感じでありました。そのお嬢さんじゃちょっと不利だろ忠通。

さて、こちらは新院(32)の邸。雅仁親王(24)も同居してます。

【今週のあっきー】
 兄に対して畏まる雅仁に対し「我ら兄弟ではないか」と言葉をかけるあっきー。が、その目は雅仁ではなく虚空をふらついていて落ち着かず、はおった着物を引きずったまま庭先に出たり、情緒不安定が慢性化しているらしい。「今の帝さえお生まれにならなければ」「いっそ、そなたほど潔ければ」というつぶやき、藤本先生よく分かっていらっしゃる!と思いました。「優しくて繊細な歌人」の面がある新院ですが、決してそれだけの風流人ではなく、「政治権力を握りたい」という生臭い欲を最後まで捨てられなかった、野心の人でもあると思うのです。芸術に生きようと決めてしまえば、西行のように出家して、政争の生々しいあれやこれやを全て断ち切って清浄な世界に遊べたかもしれないのに、それはできなかった。権力の望みにすがり続けた人なんです。そこが彼の人間臭さであり、悲しみでもあるのですよね。

 変わって忠盛サイドでは、宗子の慟哭・その2がスタート。取り乱して舞子の鹿ツノを折る宗子に、言葉が出ない忠盛。宗子は忠盛の「志」を信じて、清盛が嫡男だと自分にも家盛にも言い聞かせてきたのに、清盛と家盛は衝突し、家盛は死んでしまった。自分はいったい何を信じてきたのか、家盛を苦しめて、自分が家盛を殺したのではないか――という気持ちだったのではないでしょうか。そう考えると、彼女が忠盛を責めるのは八つ当たりなのですが、忠盛も責任を感じているから何も言えないのです。

 ばらばらになりそうな家族の有様に落ち込み、宝塔再建を投げだしそうになる清盛。そこへ訪れ、清盛を励ます美坊主・西行。ここでの西行の真剣な眼がいい!

 源氏サイドでは、相変わらず為義(55)とうまくいかない義朝(28)。仲良くなったらしい常盤(13)は、呈子の雑仕女にスカウトされます。嫌がる常盤ですが、義朝の説得で宮仕えすることに。この常盤の変身シーンが視覚的にすごく面白い。着物を着替え、髪をとかして(おそらく、つけ毛をつけて)白粉を塗り、額に眉を置くと平安美少女の出来上がり。こういう、化粧や装束を効果的に見せるのは映像メディアならではでしょう。

 さて得子あらため美福門院から公卿への昇進を示唆され、「あと一息」と口にする忠盛。ところが通りがかった頼長に、「そういえば家盛が死んで1年たったねー。問題児の兄貴の下で、ストレスたまってたみたいよ?お前のほうが後継にふさわしいって言ったらコロっと落ちたからヤっちゃったわ」と、得意のほくそ笑みで告げられて大ショック。(ちなみに、ここで秦公春が登場。)

 こちらは曼荼羅制作見学中の清盛。色塗り中の絵師に「やってみる?」と言われて、絵付けにチャレンジ☆と思ったら、板敷きの床をドスドス踏み鳴らして忠盛が帰宅し、「やめよ!」と命じます。頼長の言葉に、心の軸が折れかけです。
 財力を投じて王家に貢献し、高位に登れば全て報われると思っていたが、そうではなかった。何をしても無駄だ、武士が世を変えるなどできない――と喚きます。が、清盛は至って冷静。「忙しゅうございます」と静かに告げ、絵に戻ろうとします。これまでの「カッとなりやすい清盛 vs どっしり構えた忠盛」という関係が逆転しました。清盛2.0誕生の瞬間です。忠盛に蹴られても(2人のお坊さんが本気で驚いているように見えた…)床を這って絵に戻り、頭から流れる血で絵に色を付ける清盛。

そこに宗子が登場。曼荼羅を見つめたときの柔らかい笑顔が、何かを取り戻したようですごく良かったと思います。思えば忠盛も宗子も、「家盛を死なせてしまった自分たちはどうすればいいのか」を難しく考えすぎていたのです。舞子がどうの、志がどうの、昇進すれば浮かばれるのと。そんなことはどうでもよかった。家盛は清盛を兄と慕っていた、清盛も家盛を可愛がっていた、その思いさえ確かなら、悩むことなど何もなかったはずなのです。

こじれにこじれつつも、そこまでたどり着けた――というところで平家パートは終了。為義の忠通邸襲撃をチラ見せし、この回終わり。

今回は清盛の父越えと、家族の修復が感じられて良かったです。泣けた!


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