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2012/11/22(木) 「平清盛」第43回「忠と孝のはざまで」
前回からの続きで、安元3(1177)年から。清盛の老けメイクもどんどん念が入ってきました。

鹿ケ谷の陰謀に加担した成親(40)は死罪になるところでしたが、重盛(40)が清盛(60)に助命を願い出て、流罪に減刑。

妻の経子は、成親の妹ゆえに罪悪感を覚えていましたが、重盛は優しい言葉を掛けます。場面によって窪田重盛の話し方や声の高さが全然違いますね。父に対して話す時は気持ちが張り詰めている感じですが、経子と話す時はリラックスしています。

ところが成親は、配流先で食事を与えられずに餓死

吉沢悠さん、ガイコツみたいになってるよ…。何kg落としたらあんな顔になるんだ…。お歯黒もほとんど取れてるし。この放送枠でこんなグロい絵、やるか!?って感じでした。相変わらず日曜8時の限界に挑戦し続けている「平清盛」制作陣であります。

助けたつもりの成親の死を知り、呆然とする重盛。結局、重盛の嘆願は清盛に聞き入れられなかったのです。「賽の目の行方」(第41回)でも描写されていましたが、重盛は「父の道具に使われている」という思いが強くなっています。

一方の源氏パートでは、前回両想いになった頼朝(31)&政子(21)が時政(40)に結婚を認められるシーン。遠藤時政パパ、いいなー。厳しさと優しさと、温かさを感じます。北条さんちの子になりたい!(何回言ってんだか。)

年齢を書いてて気づいたんですが、重盛・成親・時政は同い年なのですねえ…。ドラマではそんな風に見えませんが、まあ、それは仕方ない。

そして遮那王(19)は鞍馬から京に下りて来たらしく、一条長成の妻となっている母・常盤(40)と対面。母と子の対面ですが、実は神木君のほうが1つ年上らしい。それで親子の場面をやるってのがすごいですが、常盤のメイクが大人っぽくなっているし、神木君も少年風なので違和感は小さかったです。(さすがに40歳は無理があるけど。)

弁慶とともに東北を目指す遮那王。途中の尾張で自ら元服し、「義経」と名を改めます。平治物語では自分で「義経」と命名したことになっていますが、本作では常盤がこの名を与えたという設定です。

年は明けて治承2(1178)年、中宮徳子(22)に懐妊の兆しあり、との知らせが福原の清盛(61)のもとへ。

清盛、走ってる!めっちゃ走ってる!走る61歳!

この年の11月、のちに安徳帝となる言仁(ときひと)が誕生します。喜びに湧く平家一門。

源頼政(75)が祝福に行くと、清盛に「頼政殿を三位に推挙したら、通ったYO!おめでとう!」と言われ、自分が公卿になれることを知り…ますが、喜ぶというよりは硬い表情です。「俺、平家に生殺与奪握られてるっぽい…」という思いなのでしょう。

清盛はいったん福原に下ったようですが、突然上洛して「鹿ケ谷事件のようなことが再び起きないよう、後白河院を六波羅にお連れする」と宣言。

ここからは平家物語に書かれ、戦前の修身の教科書にも載っていたという、重盛の教訓状です。ここまで清盛と後白河院の板挟みになり、清盛に駒のように使われる苦悩が描かれていましたので、溜めに溜めた負の感情がここで噴出するというのが良く分かります。加えて窪田重盛の熱演。あえて古文そのままの台詞で清盛に訴え、子供のように泣くのです。録画で見ても泣いてしまいますよ、これは…。重盛の胸ぐらをつかんだ清盛の「我が子である、そなたが」と言ったときの光の当たり方と表情も、凄味があってよかったと思います。

重盛について。

重盛を魅力的に描くというのは難しいと思います。戦前なら簡単で、天皇・院に忠実だったという理由で重盛は高評価されていましたから、その通りに描けばよい。そして清盛は、重盛と対立したという理由で相対的にマイナス評価となります。

ところが戦後、石母田正が「平家物語」で知盛を高評価し、相対的に重盛を「冗舌なだけで中身がない」と、評価を爆下げしてしまいます。加えて、清盛が「先見の明があった」「頼朝に先んじた人物」だという再評価が進むと、これまた相対的に重盛は「保守的なだけの小人物」ということで、ますます評価が下がってしまいました。ですので今は重盛の評価が低い時代だといえます。清盛を高く評価すると、重盛の評価は必然的に下がってしまうのです。

で、本作は清盛が主役ですから、当然清盛ageです。清盛をプラス評価しながら、重盛も魅力的に描くというのはとても難しい。

36話「巨人の影」やでは「父の存在が大きすぎてコンプレックスになる息子」という描き方に見えましたが、これ自体は「巨大な父をどう克服するか」というよくある筋なので珍しくはありません。

が、37話「殿下乗合事件」くらいから、清盛の強引さがだんだん前面に出てきます。そのために重盛が苦悩したり、あるいは重盛が自分なりに奔走しても、清盛から評価されないため、無力感が募っていくという描き方になってきました。清盛の暴走が加速すればするほど、重盛が苦しんでいく、いわば「清盛が出した犠牲者」のように描かれているので、これはこれで視聴者が感情移入できるキャラクターになっていました。窪田さんの演技も予想以上。

見方によっては、重盛は「清盛が捨てた良心」のようにも見えます。「鹿ヶ谷の陰謀」で、西光をリンチする清盛を止めるのが重盛だけだったり。重盛は清盛の鏡のように描かれている、という気もします。


【拍手お礼】
11月21日、22日に拍手下さった方、ありがとうございます♪


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