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2012/01/16(月) 「平清盛」第2話
第2回「無頼の高平太」。

この回は実を言うと、私は「この筋で何を見せたいのか」と思ってしまいました。何となくは感じ取れるのですが、どうもはっきりしない感じ。もちろんこれだけで感想を終わらせてはつまらないので、第2話の私なりの解釈を書いてみます。

冒頭は賭場で遊ぶ平太。役者は本役の松山ケンイチにバトンタッチ。祇園女御のもとで双六を覚えたばっかりに、博打に興じる不良少年に…。このあたりは学ランをだらしなく着て(中に真っ赤なTシャツとか着てる)、ゲーセンに入り浸ってケンカする中学生という感じ。実の親に育てられていない孤独感から、荒れてしまったようです。荒れる11歳。若いな。とはいえ、肌身離さず持っているのは前回ラストで忠盛が地面に刺し、平太がやっとのことで引き抜いた宋剣エクスカリバー。元は忠盛が海賊から取り上げたものですから、平太にとってこの剣は「強い武士・忠盛」の象徴です。それを片腕のように使うところに、忠盛のような強い武士になりたいという平太の憧れが表れているのだと思います。

ところが、忠盛は平太の実の父ではありません。したがってどんなに目標と仰いでも、平太が自分を確立していく基盤に忠盛はなってくれないのです。どんなに慕っても、忠盛はあくまでも他人であり、どこか距離を感じてしまう。その思いが平太の心に影を落として、荒れた行動に走らせていたのではないでしょうか。

まあだいたい、グレる子供というのは親の関心を引きたがっているだけだったりします。笑。

それを分かってか、忠盛は平太を特に叱ることもなく「好きにせよ」と放任状態。あえて突き放す方針のようです。

夜の京をうおー!と馬で駆け、「誰なんだ、俺はァー!」と月に向かって吠えると、どこからか「誰でもよぉーい!」という声が。平太が掘った落とし穴にはまった高階通憲が助けを求めていたのでした。サダヲ通憲から、白河院の悪法について聞く平太。

年が明けて12歳になるも、勝手にセッティングされた元服の席で平太はまたも反発し、剣先で冠を投げ、実父の白河院を批判して席を蹴ろう…としたところで広瀬中佐改め伊藤忠清(ふじもっさん)に羽交い締めにされて強制加冠。命名、清盛。そんな元服だったんかい。ここでも忠盛は平然。ちなみにこの場面、清盛の宋剣の使い方がうまいです。松山さんは登場間もないのですが、この剣にかなり馴染んでいる感じがしますね。

とりあえず無理やり元服したものの、引き続き反抗期の清盛は無帽のまま。しばらくこのスタイルで行くようです。

そんな折、兄貴分である上川鱸丸の父が、法に背いて漁をしたため捕縛されます。助けないと!といきり立つ清盛に対し、院に楯突くなという冷淡な忠盛。自分のいら立ちを受け止めてくれない忠盛に、ついに清盛がキレます。キレる12歳。若いな。

番宣で何度となく流れた台詞「罪なき民を泣かせて、武士など名乗れるか!」。自分は強い武士として生きたい。武士が強くなければならないのは、弱い者を守るためじゃないのか!父上なんか武士じゃねーよ!…と駆け出す清盛。清盛が自らを「武士」と言ったことに気付いて、忠盛ハッピー。そこに喜んでいていいのか。清盛は白河院に特攻かけに行っちゃったよ!

ここで清盛が白河院に対面できてしまうのは普通はあり得ないことなんですが、そこはドラマということで。話はなぜか清盛の母・舞子のことになり、清盛は舞子の最後を聞かされてしまいます。母を殺されたうえ、それを指示したのが当の父だと知り、清盛呆然。なんでこんな人でなしを親に持っているのかと呪う清盛に、「そちにもこの物の怪の血が流れておる」と告げる白河院のダメ押し。血の呪縛から逃れようったって無理だ、お前は自由にはなれない…と目の前で言われてしまったのです。

何も解決しないまま帰宅した清盛は、父は死んだと鱸丸から聞かされ、無力感に打ちひしがれます。通りかかった(というか清盛を出迎えた?)忠盛に、舞の稽古をつけてほしいと請う清盛。

そして石清水八幡宮で、清盛は白河院と対峙して剣舞を披露します。剣が途中から鱸丸の投げ入れた愛用エクスカリバーに変わり、目の前の大きな何かを斬ろうとするかのように剣を振り回す清盛。果ては舞台から飛び降りで白河院に飛びかからんばかりに舞います。そして舞を終えた清盛に、白河院が「武士の子らしい」と声を掛けたのです。憧れの養父と憎き実父の間でぐらぐらと揺れていた清盛のアイデンティティが、とりあえず後者の呪縛を断ち切った瞬間でした。

かといって清盛は平家の一員として生きるのではなく、「武士か、院の子かなんていう迷いはどうでもいいことだった。自分はどちらでもない、自分にしか歩けない道を行く」というのが、清盛の見つけた答えでした。通憲の突っ込み「誰でもよぉーい!」が、意外にも正解を指し示していたのです。これに対し、やっぱり「好きにいたせ」の忠盛。でも冒頭の突き放した表情とは違い、すこーし微笑んでくれました。

ラストで白河院が崩御し、次からはいよいよ鳥羽院政が始まります。

というわけで第2回のテーマは「巨大な父の存在をいかに克服して自由になるか」といったところでしょうか。この回では白河院の呪縛にけりを付けましたが、まだ忠盛という大きな存在がいますので、それをどう乗り越えるか、というのもポイントになってくるのでは。


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