|
2009/05/10(日)
更新情報&パレット展@近美(5/3)
|
|
|
▼更新情報 ・トップ画像を初夏らしく変更。 ・「源平同盟」様はリンク切れとなっていたため、バナーを削除しました。 ・どくしょ遍歴に有本香「中国はチベットからパンダを盗んだ」を追加しました。
▼パレット展@近美 富山県立近代美術館で開かれている美術展「色彩は踊る 巨匠たちのパレットと作品―梅原龍三郎からピカソまで―」(http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/exhibition/exh_2009/exh_09_1.htm)を見てきたので、感想を書いておきます。
何より強烈な印象を食らったのが、目玉作品のひとつ「窓辺裸婦図」(梅原龍三郎)です。女性が窓を背にして椅子に座っているため、人物画にしては珍しく逆光になっていて、そのため顔が暗い色で塗られています。せっかくのモデルが逆光というのはおかしな感じがするのですが、よく見ると暗く塗られているのは顔だけです。これが身体の存在感を高めています。 その身体はというと、オレンジと赤の中間のような色で塗られています。実際の女性の肌はこんな色ではないはずです。この赤は、肌の下を流れる血の色なのではないかと思いました。脈打つ血は、その人が生きていることの証です。その色で身体を描くことで、まぶしいまでの肌の輝き、弾力性、体温を描き出しているのです。 この女性、一見すると二の腕やふくらはぎに肉がついていて、豊満な体型という印象を受けるのですが、よく見るとお腹が割れていますし、ふくらはぎは筋肉が盛り上がり、両足もがっしりと床について安定感があります。よく体を動かしているエネルギッシュな女性なのだろうということまで想像できます。 暖色の室内と、窓の外の濃い緑の対照的な色使いも鮮烈です。
このほか、「モロッコ(カスバの人々)」(野口弥太郎)もいいなと思いました。輝く白壁の家に、雲ひとつない濃い青空。太陽は描かれていませんが、強い日差しが照りつけているのだろうということが想像できます。日本では見られないような、抜けるような青空の色が開放感を感じさせる一方、その下を歩く人々は黒いベールやターバンをまとった禁欲的な格好です。このコントラストがなんともエキゾチックでした。
|
|
|