旅人の唄
屋根の上から叫んだ、自己満足のカケラ。
最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2007年5月
前の月 次の月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新の絵日記ダイジェスト
2010/02/21 【日記】イベントですがテンション低め
2010/02/18 【日記】という訳で
2008/10/31 【今日の硬質】拍手変更
2008/10/21 【今日の更新】TOPとギャラリーとリンク
2008/10/16 【今日の更新】TOP更新

直接移動: 20102 月  200810 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200712 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 月 

2007/05/07(月) 純粋な瞳に映るは、紅い衣の魔女。
先日。
バイト先で本を捜す姉弟が居た。
多分小学生低学年だ。
ずっと児童書コーナーに居座って、恐竜やら携帯獣やらを読んでいて。
買う買わないで盛り上がっていた子供らに、僕は言った。


「ポケモンの本なら、此方にもありますよ。」


ただ。
僕はバイトという名の店員として。
本を捜すお客様に。
オススメの本を提示した、それだけなのに。
彼は目を丸く、本当に真ん丸くして僕を見上げていた。
そして、後からきた老人(恐らく身内だろう)に、こう言った。


「この人、聞いてもいないのにこの本おしえてくれたの。」


お節介、という意味ではなかったらしい。
少年は老人にその本を持たせて、レジへと向かったから。
気を使っているような様子も、特になかった。
姉や老人の方も、占いの本を買うか買わないかを話題にしていたから。


彼、は。


僕のとった行動が、物凄く不思議だったらしい。
自分が欲しい本の居場所を知っていた僕が。
不思議だったようだ。
老人は「お前の顔に『欲しい』って書いてあったんだろう。」と笑っていた。
実際は、顔を見たのは話し掛けた時だけなのだが。
あれだけ真剣にイーブイの進化を討論する姿を見たら、誰でも分かると思うのだが。
まぁ、ポケモン自体好きだから反応してしまったというのも、あるだろうが…。解らない、ものなのか?
そんなことは、無いと思うのは僕ダケなのか?



コミュニケーションの問題の話は時々聞く。
相手に嫌われたくないから同調したりとか、濁したりとか。
そういう家庭かもしれない。
そういう風潮なのかもしれない。
そういう国なのかもしれない。
そういう世界なのかもしれない。
人はそれを『自分を押し殺している』と言う。

でも、本当は。
『自分が無い』だけなのかも知れない。

自分が無いのだから、自分の事など理解出来ない。
何が楽しいとか、辛いとか、嬉しいとか、悲しいとか。
籠の中で過度の加護を受けた、雛鳥達は。
何も知らない事が、当たり前で。
何も考えない事が、当たり前で。
だから、当然。
他人の事など解る訳もない。
小さな子供なら、まだ自分が少ないのは良いとしても。
そのまま、大人になってしまったら……。




最後まで、彼は僕を物珍しそうに見ていた。
それが、ある意味答えなのだろうか。
それともでまた要らぬ心配をしただけなのか。

出来るならば、後者であって欲しいものだ。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.