美観地区から大道絵師のメッセージです。
箱の中でいくら立派な芸術活動しょうと、学ぼうと何等、この病的社会には不毛である。
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2008年4月
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2008/04/10(木) さて気楽トンボの話に戻ります
さて気楽トンボの話に戻ります。
やっと住まいの問題が解決して二人は自転車を買ってホテルを出てチェンマイ市内を回りました。
チェンマイの中心部は入るには大きな川を渡ります。川を渡ればにぎやかな街に入ります。骨董屋や家具屋、繊維を売る市やバザール、屋台などがいたるところにあります。そして最も中心部は堀と城壁に囲まれた1.5キロへー法メートルの正方形の古都に入るのです。川を越えればワット(寺)がいくらも見られるのですが城壁の中は京都のようにワットがいたるところにあります。ワットの入り口は竜の彫刻があります。その中に仏塔が建っています。その仏塔は三角錐でレンガを積み上げたものでそこにお釈迦様や象などの彫刻があるのです。仏塔はまるで小山のように大きなものもあります。誰でも自由にワットに入れるのです。仏塔のほかに僧房や本堂などがあるのですがそれらの建物の外には本尊を守るためのさまざまな彫刻があるのです。得体の知れない動物や、スフインクスのようなしかも肉体美をさらけ出した像もあれば、可愛い合掌する人形のような彫刻があります。
そしてご本尊のお釈迦様はまばゆいばかりの金箔が座っています。
これらのどの像を見ても日本の仏像のように侘びやさびとは縁遠い、野性味とエロチシズムを覚えるのは僕だけだろうか。僕には東南アジアのこの国の仏教にはそれ以前にあったヒンズー教が合体したに違いないと思えたのでした。
ヒンズー教のもっとも有名な美術にはカンボジアのアンコールワットがあります。アンコールワットの美術の女性像はおおらかな性的表現が僕らの時代の知性をあざ笑うような迫力を感じさせるのですが、タイの仏像がまさにその影響を受けています。
キンキラキンの釈迦像は一糸まとわぬ裸であるのみか胸のふくらみははちきれんばかりの女性の体です。あの有名な涅槃像は釈迦が寂滅した時の姿とはいえ、横になって寝転ぶ豊満な肉体の女性像なのです。
僕は思うのでした。芸術とは?なんて。人間の中にある動物性を引き出す行為なのだったと。僕は現代文明に飽きて何かを求めていたような気がするが、その何かがタイの美術にあったんだと感じたのです。
道を歩く時歩道に街路樹の根元に花を飾りコーヒーを供え線香を立てているのにたびたび出くわします。文明というもの、哲学や論理がいつしか立ち木に神が存在するという詩情を現代人は失ったのではないかと言う気がしたのです。森には森の精があり、水には水の精がいるのが見えなくなった現代人の感性に疑問が出てきたのです。新しいものを得たと思えば失ったものの大きさを忘れているのではないか、そんな気がしてなりません。
そんなあたりに僕の芸術的な感興が湧いてきたのです。



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