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2008/01/07(月)
倉敷にがおえエレジー 題98回
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勿論こんな馬鹿げた事ばかりしていた訳ではない。
彼は常にラジカルで例えば奇抜なブリキ彫刻で知られる前衛芸術家・秋山佑徳太子等と友達であり、その彼は若い頃、二宮金次郎の格好で街頭に立ったり、グリコのランニングシャツ姿で広場を駆けてみたり、突飛なハブニング活動で勇名を馳せ、70年代には政治のポップアート化目指して都知事選に山高帽で立候補するのだ。その時の選挙ポスターを手掛けたのがこの栗山で、そのポスターは実に驚くなかれアンディ・ウオーホル張りだった 訳だが、彼は別に単にウォホールのディタレントではなく、ウォーホルに会いにアメリカへ行って、その体験談を本に纏めているのである。
また彼は[ポートレイト]と言う異色人物ばかり集めたニガオエ集を出版したり、「聖教新聞」には時の有名人の似顔絵とコラムを連載していた。、と同時に「肉体と概念の冒険」の名のもとに日本はもとより世界を波状移動し、彼のハガキと写真で世界のストリート・アーチストを知るようになるのである。また昨今は彼の仲間と共に「東京零産倶楽部」を発足させ季刊誌であったがネオ・タダ的新聞を発行。前衛芸術家や異色芸術家に送り続けるのである。
それは作品や作家いう安穏とした連中への挑戦であり、体制べったりの芸術という終焉に立ちあっているのだいう紀州犬の遠吼えであったかもしれない。しかし俺にすればその終焉の向こうに、まだ明確に名付けられていない作品や作家に代わる何かが現れてくる待望の矢先だったからである。
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