美観地区から大道絵師のメッセージです。
箱の中でいくら立派な芸術活動しょうと、学ぼうと何等、この病的社会には不毛である。
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2007年8月
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2007/08/17(金) 倉敷にがおえエレジー 題14回
画家F先生の紹介で、文化人K氏宅の隠居に腰を落ち着けた。部屋は母屋より遠く離れ、ビワや柿の木が鬱蒼と繁り、裏は隣の酒倉がピッチリ喰っ付いているものだから昼でも暗い。天窓はあるにはあるが座敷牢だ。
しかし、その時の俺は四方八方のタカマチ・香具師・テンプラ学生の花車に担がれる事に飽き飽きしていた。キザに言えばあらゆる情報過多で分裂、混乱、自らの主体によって論理を構築することも、血を造ることも出来なくなっている自分に苛立っていたと言ってもよい。故にけむる煙に目もくされる座敷牢であればあるほど俺の心を癒してくれるのだ。K氏は「駆け落ちするなら津山にきんちゃい」という言葉がここにあって、昔から落人や駆け落ち者を匿ったと胸を張る。しかし、ヒネクレ者の俺に取っては住めば住むほど、この言葉は逆説的ユートピアに思えて仕方がないのだ。
例えば「間引きの多いのは日向と美作」「百姓一揆の多発」「七夕祭りのタブー」「炬燵商売」「官尊民卑的ヒエラルキー」等々。こういう悪評は美作人が何時も自分を他人より、一段高い所におく気風が絡みあって現出したと見てよいのではないか。この自意識過剰の事情を作家・立原正明氏が辛辣に述べておられるので割愛するが、とにかくこういう中にトップリ浸かっていると物狂おしくなってくるのだ。
とくに友人が訪ねてきたときは血がジェット機のごとく急上昇、例の蓬髪に日蓮ヒゲ、おまけにステッキで津山の町を徘徊するのである。俺が傲慢な顔つきで歩いているのを見て、何の為に威張っているのかおそらく町の人は馬鹿にしていただろう。しかし、俺はこの空威張りでやっと寂しきところより助かっていたのだ。


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