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2007/04/07(土)
ホームレス画家のホームレス訪問記C
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朝もやの中に大阪城が霞んで見えた。
豊臣の外交官・片桐勝元が徳川のスパイだと決め付けられ、淀君側近の大野治長に追い出されたのもこういう日であったろう。勝元は何を思ったか、家康の住む駿府の小さな寺で割腹するのだが、残された家臣団はホームレス浪人にならざるを得なかった。歴史は繰り返されるのか、今は国から見離されたホームレスの青テントが点々と見える。
依然として高止まりな失業率、リストラ、倒産。年間四万人に迫る勢いの自殺者。貰えないかも知れない年金保険料。消費税アップの確実な予感。他人が信じられなくなってきた漠然とした不安等等。勿論「今の日本が最高」と言える人が、少数であるが居るという事は充分承知しているが・・・・
かってのここは作家・開口健や小松左京が描いたような不思議な世界があった。旧大阪造兵工廠が空襲で破壊され、野ざらしにされた無人の荒地であったのである。現在大阪ビジネスパークのある三角形の区画から始まり、南方向へ一キロ以上空襲で焼け落ちた工廠の建物の残骸が連なって見えたものである。
その工廠の跡地は屑鉄や銅線など替え金出来るものがたくさん散らばっており、多くの人が屑鉄拾いを生業としていたのだ。
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