美観地区から大道絵師のメッセージです。
箱の中でいくら立派な芸術活動しょうと、学ぼうと何等、この病的社会には不毛である。
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2007年2月
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2007/02/17(土) 40年前の美観地区日記より。 四十八回
 酒屋から帰ってくると熊ちゃんの前に赤い傘が一輪咲いておる。一ヶ月に一度は熊ちゃんに似顔絵を描かせる看護学生だ。
 相変わらず鼻穴から描き初めており、それは熊ちゃんにすれば絵の人物もまず呼吸させてやる論理だそうである。

 さきほどのスケッチブックを何気なく見るとダルマ絵の上に「所作を用いるに無心にして所作自ずから沸き立つ・・・云々」と書いてある。盤桂禅師の禅機だ。
 俺は酒のせいもあるが急に頭に血がのぼり、看護学生に向かって強い口調で言い放った・・・

 「君はどうして彼ばかり描かして、俺に描かせてくれないのか?」
 「酔っ払いは、一時の発狂です!」とピタゴラスで反撃できたもんだ。
 「何!発狂?俺の絵は頭から生まれる。身体なんぞは借家同然だ。だいたい酒というものは精神の飢餓が求めるものである。君が酒を飲まないのは精神か飢餓状態にないか、あるいは心の飢えに気ずかないのだ。WHO「世界保健機関」によると世界で毎日千人が自殺し、未遂を入れると一万人。日本でも毎日八十人が自殺、その三倍が未遂という現状でる。そこを救っているのが酒なのだ!」
 一気加勢に言葉を投げつけてやった。
 すると「アナタのは詭弁よ、しょせん、男のヒステリーで抑圧された性欲と反動だわ・・」と背負いなげだ。

 可愛いいナースの言葉ゆえ、俺は殴りつけられた様な気持ちがした。


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