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2007/12/04(火)
倉敷にがおえエレジー 題93回
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「私の志?集」の看板を首からぶら下げ、黒髪の長い美人が立っていたのもここであり、彼女はレイコと言って、詩人の日疋信に私淑しているが、その日疋は「詩は志でなければならない」という意味で「志集」とし、「街頭こそ唯一の死に場所」という信念で立っているのだそうだ。
その横では「命売ります」と乱暴に書いたスケッチブックの上、酒臭い息を吐きながら寝ているのは似顔絵界のダダイスト、キド・軍治だ。俺は彼からいろんな影響を受けているので、項を改めて描いてみるが彼の口癖は「親しくなるのはマッピラさ、親しくなるとお互い不自由になるからなぁ」であった。
そこへこの熟睡しているキド・軍治も飛び起きるほど、ギターを鳴らし、マントラを歌いながらやって来たのは、花やビーズで着飾った数十人のヒッピー達の御入来だ。
「我々は心の雑巾だ、汚い格好だが他を光輝かす」と襷をかけているのは、禅寺を墨染めの衣のままドロップアウトしてきたアキタであり、彼もまた似顔絵を描く人であった。この倉敷キリスト教会で再会する、お祭りポン太こと山田塊也や大坂・和泉橋本の七山に、俺や近畿大の連中と共に「七山小屋」を造ったチビグロ等の顔も見える。「ヒゲの殿下」とアダナされたナーガや、「新宿のランボー」と言われたナンダもいる。その彼と子持ちカップルになるミコやノン、ア等と猫みたいな名の女も混じっている。
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