美観地区から大道絵師のメッセージです。
箱の中でいくら立派な芸術活動しょうと、学ぼうと何等、この病的社会には不毛である。
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2007/01/18(木) 40年前の美観地区日記より。 二十二回
続ける・・・
 たとえばニガオエを描くとき、頭で掴んだイメージが腕を通って指先で開花するまで普通ガタガタになる。しかし酒を飲むとストレートにいく。頭で描くのではなく、理屈を超えた内なる行為がほしいのだ。
無心になる。
あれこれ思い煩うと大脳の新皮質が邪魔になる。余計な命令をだして眼にフイルターがかかる。
 故に飲む。浜の真砂が尽きても飲む。縄文人も飲む、キリスト、日蓮、一休禅師、白楽天、横山大観も只ひたすら飲む。乞食エカキも飲む。飲んで駄洒落を吐いてニガオエを描き、偽りの天下泰平安穏を歌うもよし、悲憤慷慨して涙流すもよし、行く付く先は博物館に陳列される魚貝昆虫と同じくアルコール漬けになるのもよいではないか。
 楽天、楽天・・・酒なくして何が己がニガオエ描きかなである・・・・・・

 さて「どうして結婚しないか」であるが、一言でいえば生涯連れ添う女に縁がなかった事になるがそれでは身も蓋もない。
 ただこういう問いを発する女には蓬髪、日蓮ヒゲ、薄汚れたコート姿、亡霊みたいな手つき、ひもじい声で客を呼ぶところなどはメス猫でさえ寄りつかないだろう。という意地の悪い姿勢が窺えるのだ。いわんやアル中の上キ印ときているのだから・・・
 ところがドッコイ、乞食エカキ結構興味を示す女がいて、過去数度の同棲生活しているのである。ときにはフランスのリサ、オランダのテレサ等とも一緒に生活したこともあり、実にインターナショナルなのだ。
 それでも結婚しないのは結婚することに於いて俄然その境界が一変し、無形が有形に、無頓着より細心、社会組織に束縛され、ここに自由が不自由に変わることを危惧するからである。
 換言すれば女を得ると同時に一種の排他主義が生じ、また個人的なことや私有財産に対し非常に強い利己的な本能が居座るからでもある。
 故にモノを創造しょうとする男が、女を持つとは首根っ子に沢庵石をぶらさげて生きているようなモノだといっても過言ではないだろう。


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