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2006/08/08(火)
大阪市立美術研究所・雑感 65
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上住 雅恵 http://www.venus.dti.ne.jp/~uezumi/2000.html
神戸市に生まれる。現在 芦屋市在住。
1965-68 松井 正 氏 に師事
1966-68 大阪市立美術研究所に学ぶ
1967-68 伊藤 継郎 氏 に師事
1971 児童画教室「雅こどもアトリエ」(現 芦屋児童美術教育研究会)開設
1972 京都市立芸術大学美術学部西洋画科卒業
1972-74 小林聖心女学院、近畿大学付属小学校講師
1993 京都市立芸術大学美術教育研究会にて講演、「児童画の世界」
1998 京都市立芸術大学美術教育研究会発行「美」に 論文発表、「児童画の世界」
1999 京都市立芸術大学美術教育研究会にて講演、「ニューヨークで開催した震災児童画展」
現在 芦屋児童美術教育研究会 主宰
*** 渡欧4回、渡米10回、
「芸術は見る者にとっても、創る者にとっても、果てしない実験である」。こんな言葉を聞いたことがあります。ともかく芸術は奥が深く永遠だということでしょうか。アートの仕事に関わって10年余、数多くの芸術に触れてきました。とりわけ美術に関しては内外の数多くの作品を鑑賞してきました。また多くのアーティストに出会うことができました。その中で私が継続的に作品を見続けている二人の知人アーティストを取り上げてみます。ジャンルも作風もまったく異なりますが、ともにたゆみなく挑戦する心意気は共通です。 大震災児童画展を内外に巡回
神戸の個展で観客らに自作について語る上住雅恵さん(左端)
作品「Air Santa Fe-2」
作品「Cafe Santa Fe」 上住雅恵さんの新作を紹介する個展「Santa Fe」が先月、神戸市のギャラリー島田で開かれました。この展覧会には、ニューメキシコ州のサンタフェを題材にした作品を展示していました。これまでと同様にドアや窓を描いた組み作品に加え、サンタフェの特徴でもある日干レンガ造りの家屋などが壁面を飾っていました。 上住さんはこの10年、こだわりのテーマを追求しています。家のドアや窓、街路の木々などを小さなサイズの油彩画に描き、それらの連作を壁面に配置して、個別的にも、全体的にも見せる手法です。黄色を基調にした作品は、一見単調なように見受けますが、作品に囲まれた空間に身を置くと、安らぎと物語性を感じるから不思議です。 上住さんを知ったのは1995年にさかのぼります。その年9月から3か月、ニューヨークなどアメリカの6都市で「阪神大震災児童画展」を開催しています。震災1年目に地元の芦屋市でも公開した際に、会場に出向きました。「子どもたちの目に震災がどう映ったのかを伝えたかったのです」と語る上住さんの取り組みに注目しました。 上住さんは神戸市に生まれ、京都市立芸術大学美術学部の西洋画科を卒業した後、画家活動を続けるかたわら、児童画教室にも力を注いでいます。1995年の震災で、子ども向けの絵画教室のアトリエが半壊したのでした。 約3か月後に再開した際に、まず思いついたのが被災体験を絵に描いてみてはとのことでした。子どもたちは、倒壊した巨大な高速道路のわきを延々と歩く姿や、給水車から配水を受ける市民らの表情をリアルに捉えていたのです。 内外の巡回展や震災遺児支援のポストカードの制作などチャリティー活動も実施しました。震災後に取材旅行したニューヨークで様々な民族が生き生きと活動している姿に接して勇気づけられたといいます。そのニューヨーカーたちに子どもらの絵で頑張っている様子を見てもらいたいと思ったのが児童画展の発意です。 ニューヨークで個展重ねる
ニューヨークの個展会場で仲間らとくつろぐ上住雅恵さん それがきっかけとなり、1997年以降、毎年のようにニューヨークで上住さん自身の個展を開くようになりました。今年も5月に3週間にわたって、一連のサンタフェの建物などを展示しました。上住さんにとって、アメリカが創作意欲を駆り立てる場であり、発表の場としても定着したようです。 女性が単身乗り込んで勇気ある行動と思えますが、いつも突然に、楽しげにニューヨークでの生活ぶりや写真なども添えてメールが送られてきます。
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