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2006/08/10(木)
大阪市立美術研究所・雑感 67
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海を越えて・當摩殷子
奈良を訪れる外国人観光客は、1992年の32万8千人をピークに減少していましたが、ここ数年は増加傾向にあります。また、アジア諸国出身者を中心に年間300人以上の外国人学生が奈良へ留学してきます。 一方、奈良から海外へ出ていく場合ですが、奈良県の人口千人あたりの海外渡航者数は162.71人で、東京都・神奈川県・千葉県に次ぐ第4位となっています(1997.1)。 奈良県は、国内でも数少ない「海に面していない」県ですが、海を越えた往来は確実に盛んになってきているようです。
時を超えて
奈良県には206件もの国宝があり、これは京都府・東京都に次いで3番目に多い数です(1998.1)。中でも、国宝指定されている文化財のうち、彫刻物の6割、建造物の3割が奈良県にあります。これは、歴史を経た仏像を安置する古い寺や神社などが県内に数多く残っていることを物語っています。 また1998年末には、大仏で有名な東大寺のほか、興福寺、元興寺、薬師寺、唐招提寺、春日大社、春日山原始林、平城宮跡の8つの資産が「古都奈良の文化財」として世界遺産リストへの登録が決まりました。
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表紙説明:みんどの池のうし蛙(旅立ちの図)(創作版画) うし蛙の息子は空行く雲に憧れて旅立ちましたが、途中で倒れてしまいました。ふと気がつくと目の前のお堂に仏様、しばらくお仕えしていました。ある日夢に母が現れ、それまでの親不孝を後悔し、急いでみんどの池へ帰りました。既に母の姿はなく、池にはガマの穂が墓標のように立っていました。うし蛙の泣き声はあたりにボワーンボワーンと響き、今も哀れをさそっています。
作者:當摩殷子(とうまただこ) 奈良県王寺町在住。1922年生。10代半ばで画家を志し、中之島洋画研究所と大阪市立美術研究所で学ぶ。シルクスクリーン版画から木版画へ。今回の作品は昨夏に創作した21点のうちの1点。日本美術家連盟会員。
また當摩殷子氏は日本シルクロードの会・会長さんです。以下のホムペより・・・ http://www.pref.nara.jp/silk/kaze/ja/index.html
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