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2006/08/01(火)
大阪市立美術研究所・雑感 60
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詩人・橘安純は大阪の天王寺公園に小屋を建て、たまに日雇い仕事をしながら生活しています。「野宿生活」をテーマに詩を作り、朗読しています。初めてこの公園に ブルーシートのテントを張ってから今年で6年目になる。今は拾ってきたベッドのパネル等を使って、開閉式天井のある木造の小屋になっている。オオカミに 襲われても大丈夫だ。以前、ダンボールの家を蹴られ、テントの支柱を引っ張られ破壊されたことがある。周囲に緑は多いし、家賃は払わなくて良いし、一戸 建てだから夜間うるさくしても文句来ないし、アウトドアー生活を満喫している。難を言えば公園当局が一年に何度か「消毒、清掃」を名目に一度小屋を解体 しなければならないことだ。公園当局はバリケードを張り新しくテントを作ることは許されないが、現在居る人については黙認してくれている。しかしそれも 今年度までで、その先どうなるかは分からない、と言う。
野宿生活 春夏秋冬
夏 ダンボールどろどろ布団しめった青い雨 雨ふられダンボールハウスとけた 地球に寝てるから雨ふって川の中
一つずつ はずかしさ消して路上に寝る お恵を受けることまったく遠慮しなくなり 腹へったギラギラ太陽 水をガブガブ飲む 炎天炊き出しの長〜い列だれもしゃべらない
見知った顔だんだん陽にやけてきた 見知った顔だんだん疲れてきた 見知った顔だんだんしわが深くなる 見知った顔 生命力が弱くなり
ごみ ほこり 汗しょんべん人間の臭い
生きている星空ひとる公園野宿 生きている星空ひとる公園野宿
秋 野宿者のうえ風ふきぬけて落ち葉ちる 木の葉ちる その日暮らしが長いので
路傍にて命よせあいやっと生き 見て見ぬふりされ 路傍の石となる 路傍石になれきれず 時に反撃
横になりほっとするダンボールの我家 カラス鳴きサイフからっぽ秋の暮れ 夕焼けに捨てたつもりが涙する
風ふきぬけるけど仲間いるから道端に寝る 風ふきぬけるけど仲間いるから道端に寝る
冬 北風みんな速足 どこに帰る 私の帰るところはここ道端 寒さにふるえ夜中じゅう歩き回る 夜が明けていよいよ寝入る宿無し
いまから春を待っている 暖かい冬 死なないでいる 冬支度できないまま冬すすんでく
あの人はこの冬を越せるのだろうか 餓死凍死雨に打たれて衰弱死 酒あびて凍死した友 安楽死 死ぬな 生きて生きて生きろ
あてなくあるいて一日くれて 何もかも重たくなって歩く冬
冬銀河 百円玉の重さ知る 冬銀河 百円玉の重さ知る
春 陽がさして小鳥さえずり覚める朝 朝の公園煙たなびく 七輪で木切れ燃やして米を炊いている
人間も使い捨てになり桜ちる
もったいないを拾って生きる あればあり なければないで今を生き それなりの一生懸命生きている
うまく立ち回れず無宿に生きる 青い空 うまく立ち回れず無宿に生きる 青い空
ホームページを友人に作ってもらった。自分でもブログを開設したが、インターネット喫茶でしかパソコンにさわれず、書き込みが思うようにはいかない。使 わないノートパソコンがあれば譲ってほしいという。 何方かおられますか?
連絡先 〒556-0002大阪市浪速区恵美須東3-4-36フェスティバルゲート4階cocoroom気付
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