美観地区から大道絵師のメッセージです。
箱の中でいくら立派な芸術活動しょうと、学ぼうと何等、この病的社会には不毛である。
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2006/07/13(木) 大阪市立美術研究所・雑感 44
 今日もテレビで「子供たちの見回り会」が発足したとかで、子供が「何時も私たちを暖かく見守ってくださりありがとう」云々の映像が流されていた。主婦や警察のOB、中には岡大のグループも居て、本当にご苦労さまという気持ちになれないのは私一人だけであろうか。
 生徒の登下校時になると幼稚園や小学校の校門の前に車がズラッと並び、そこから塾でも行くのであろう。結果、全てシスマティックに整備され、人々は己だけの関係性に閉じこもり、社会の共同性は薄れ、孤立化したカプセルはシュミレーション習俗のプレート上でのみ、より豊かな生活や高い学歴を求める脅迫的な「幸せ競争」追い立てられていくようである。
 私はそういう光景を「ポカン」として眺めながら、芥川龍之介の「カエルの話」を想起した。それはある池にカエルが住んでいるのだが、時々、ヘビにカエルが襲われ犠牲が出る。そこでヘビにカエルが襲われないにはどうしたら良いか、という相談になって、結局、池の周囲に金網を張ることになった。それを聞いたサーリブッダみたいなカエルの長老が「そんな事をしたら、この池はカエルが増え過ぎてそれこそ全てが絶滅する。時々、我々の仲間が犠牲になるのも全てを生かすことに相通ずるのじゃ」という意味の事を言う。つまり生物の密集斃死であり、全ての自然は自然淘汰の中で生き永らえているのだと。
 ところが幹部連中は長老の話しなど無視して今度はトンビにカエルが襲われたことによりドームを作ってしまう。池の周りをコンクリートにする。巣穴を高層ビルにし、監視カメラまで取り付ける。食料は他所の池から輸入する。全てカエル至上主義において改革していくのであるが、確かに住みやすい。しかし、どうも呼吸困難とある種のカエルは気付き、その連中は一刻の安らぎを求めて他の池に旅に出るのだ。
 ところがその後、この池はどうなったかと言うと、池の魚は白い腹を空に向け絶滅し、無論、カエルも全て死に絶えたという話である。この寓話が未来の日本を具現していなければ良いのだが、どうも小生には営々としてその方向に突走っているように思えて仕方がない。
 「貴方は何方ですか?」と三人の腕に腕章を巻いたご婦人に声をかけられ我にかえったが、彼女らは怪獣のように見えて仕方なかったよ。

 そこで怪獣専門に描いている黒川みつひろ氏を紹介する。


プロフィール
1954年、大阪府生まれ。大阪市立美術研究所で絵を学ぶ。児童向けイラストレーターとして活躍し、絵本作家に。古生物研究が趣味。主な作品に『恐竜たち』『恐竜の谷』(こぐま社)、『絶滅動物の絵本』シリーズ(童心社)、『恐竜の大陸』シリーズ(小峰書店)などがある。また、たたかう恐竜たちシリーズの新刊『恐竜トリケラトプスとアロサウルス』(小峰書店)が出版される予定。



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