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2006/05/16(火)
若き特攻隊員はどういう気持ちで・・・
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林憲正という25歳の特攻隊員の遺書を紹介する
私は郷土を守るために死ぬことができるであろう。 私にとって郷土は、愛すべき土地、愛すべき人であるからである 私は故郷を後にして、故郷を今や大きく眺めることができる 私は日本を近い将来大きく眺める立場となるであろう 私は日本を離れるのであるから、その時こそ私は日本を本当の祖国として郷土として意識し、その清らかさ気高さ尊さ美しさを護るために死ぬることができるであろう。 │
まだ人を愛した事がない者は、「愛する者のために死ねる」という感覚が分からないだろうし、「自分のため以外に死んでたまるか」と「エゴだけの個」にとどまっていているもの無理はない。しかし、自分のためにを超えた時、愛する者のためにの向こうに国のためにが立ち上がってくる。特攻隊は、天皇を本気で神と思って信仰していたわけではない。民間人を殺すなんてできるわけがない。テロではないのだ。特攻隊は、宗教で死ぬ陶酔感もない彼らには、情の論理しかない。「愛する者たちが住むクニを守るために自死するだけだ。これは死ぬのに覚悟がいる自分を克服する段階がいる。死を前にした特攻隊の川柳である。
慌て者 小便したいままで行き 諸共と、思えばいとしのこの虱
彼らは自分を客観視して、笑うほどの精神のバランスを保っている。見事なユーモアであるが悲しすぎる笑いだ。
政治家が、官僚が、マスコミが、日本の大人が、何の覚悟もせずに平和に実は無難に今をやりすごそうとばかりしている。無難と金儲けためならばとプライドなんかいらねえと開き直っている。
かつては、死を賭けて日本の誇りを守った若者があんなにいたのに。学鷲の特攻隊員である西田中尉は「そう簡単に勝てるとは思っていません。しかし、負けたとしてもその後はどうなるでしょう。お分かりでしょう。われわれの生命は講和条件にもその後の日本の運命にもつながっていますよ。そう民族の誇りに。」と言っている。
彼らが死を賭けて伝えたかったものを今の日本はちゃんと受け止めているだろうか。命に対する考え方は、「命そのものが宝」、「生きることそれ自体が目的」という人々は多い。長生きしたくてしたくて・・・。だらだら生きていてもいいからとにかくいっぱい生きたい。いろんなものを食って、面白おかしそうなことを味わい続けたい。今の日本をそう思う人だらけのような気がする。それはそれで否定はしない。しかし、生き長らえることだけが人生の目的ではないと思っている人は必ずいる。命は手段に過ぎない。この命を使って何をなすかだ。その時代の状況があるにせよ、後者の生き方をした人間に敬意を表したい。
私事だが、私の叔父さんが大阪帝国大学より、学徒出陣で今日が命日でこういうことを書いた。期せずしてこの日が沖縄・那覇陥落であの有名な五歳の「白旗を持った少女」が有名になり、儀間比呂志氏が版画に堀り、後、映画化されてますなぁ・・・
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