|
2007/11/18(日)
白い部屋
|
|
|
いつだって手を伸ばせばそこにあなたがいると思っていた それは限られた空間が世界の全てだと思っていたからで その外に私の知らない世界があるなんて思ってもいなかった その世界にあなたはいくことができるなんて
私はこの限られた空間が世界の全てだと思っていた 白くそびえたつ四方の壁と天井が全てだと 物語に出てくる青い空や海なんてものは幻想だと そう教えられて育ってきた
光を灯された時の白と光を消された後の黒とその間の灰色と 壁の白と人々の赤が私の知っている全てだった 私はそこでただ与えられた課題をこなしていれば幸せになれた いつだって 手を伸ばせばそこにはあなたがいた そしてその手を握れば暖かくて これが「生きる」と言うことなのだと思っていた
穢れなき私の瞳はあなたにはどう思っていたのだろうか 最後にあなたが言った「かわいそうだ」という一言が 今でも私の心をそこに縛り付けている
|
|
|