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2006/01/30(月)
香りの記憶
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目に焼き付いた記憶・・目を閉じれば浮かんでくる。 耳にこびりついた記憶・・耳を澄ませば聞こえてくる。 感触の記憶・・いつまでも肌に残る。 香りの記憶・・実に曖昧。思い出そうとしても思い出せない。 空気に漂よい、そこにいた香り。 そのかすかなものに全ての記憶がよみがえる。 形もなく、イメージすらなく記憶の中から消されたかのようなもの・・・香り… 曖昧さの裏に、強烈な記憶を抱きかかえていることに気づかされる。 形を、色を、音を伴いそこで私を待っていた… つかもうとすると、もうそこには無い、香り… 一瞬の喜びの後にはまた曖昧な記憶に戻る、香り…
残り香…しまっておけるものなら箱に閉じこめておきたかったけれど、一瞬私の身を包み、もうどこかへ飛んでいってしまった。 それでいいのだと自照する。 形もない、イメージすらない残り香の跡を探して空気をつかんでみる…自分の滑稽さにかすかな笑みが漏れてしまう。バカだね…
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