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2007/02/22(木)
ピクシーズ/ラウド・クァイエット・ラウド
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http://www.kingrecords.co.jp/pixies/
観てきた。
伝説のオルタナバンド、ピクシーズの再結成ツアーを追ったドキュメンタリー映画。 足を運んだ映画館は吉祥寺バウスシアター。 そんなにお客入らないだろうと軽く思っていたのが甘かった。 当日券を買ったら整理番号が78番!上映時間間近になって、会場にあふれる人、人。 係員の誘導で列が出来て、みんな自分の番号が呼ばれるのを今か今かと待ちわびる。何だかこれって・・・
「何かライヴみたいだね」
後ろに並んでいるお兄さんが呟く。 うん、まるで今からピクシーズのライヴが始まるかのような、緊迫感。 上映前からこんな気持ちになるなんて、それだけでこの作品は成功してるじゃないか! (ちなみに映画の内容に合わせてスピーカーの音質がライヴ仕様になっていた) 正直に言ってしまえば、私はさほどピクシーズに詳しいわけでも、熱狂的ファンというわけでもない。 けれども興味があったんだ!ピクシーズはピロウズの山中さんが大好きなバンドでもあるから、なんて、そんなミーハーな理由抜きにしても、ミュージシャンやバンドを追ったドキュメンタリー映画は、一音楽ファンとして観ておきたい。
“あのバンドと出逢ったことで自分はとても救われて、音楽が大好きになって・・・”
一度でもそんな経験を味わったことがあるならば、予備知識なんかなくたって十分に入り込める本作。 私にとっての“あのバンド”って、間違いなくピロウズなので、勝手ながらピクシーズをピロウズに置き換えてみたりする。
思春期の頃に出逢った大好きなバンドが解散しちゃって もうそれから12年も経ってて 気付いたら自分も大人になってて 最近のロックミュージックなんかぜんぜん惹かれなくて・・・ そんな頃に届くニュース、大好きなバンドの再結成。
それってどんな気分なんだろうね。
再結成ツアー。 ライヴ会場の外で順番待ちしているファンにインタビューする。 どうしてピクシーズは解散したんだと思う?
“最高だからだよ、ホントに最高なモノはいつか終わりが来るんだ”
じゃあ何で再結成したの?
“最高だからだよ!”
ライヴ会場の外で順番待ちしているファンにインタビューする。 どうしてピクシーズは解散したんだと思う?
“マネー!(によるもつれ)”
じゃあ何で再結成したの?
“マネー!!!(が欲しいから)”
一つのバンドが解散をし、メンバーがそれぞれの道を歩み始める。 音楽を続ける者もいれば、音楽の道から外れる者もいる。アル中・薬中で苦しむ者もいれば、家族が増える者いる。 ピクシーズ再結成の理由に、音楽的意欲・衝動の他に金銭面の要素があることも当然否めない。 だけどそんなの、そんなのファンにとってはどうでもいいこと。 金目当てなんだろ?なんて苦笑いしながらも嬉しさは隠せない。 ステージにメンバーが出てきたらきっと笑顔で言ってしまうんだ、おかえりって。 あたり前だけど、彼らは年を取っていて、お腹が出ていて頭も禿げてて、おじさんになってて、おばさんになってて・・・。 けれどもファンからしてみれば、ステージ上の彼らはあの頃と何一つ変わっていなくて。 あの頃とおんなじフレーズで、メロディーで。
僕の涙を乾かせるのは みんなの好きな下らない歌じゃない 世界中探してもキミしかいない うたってよダーリン
the pillows“Kim deal”
タイトルからもわかる通り、この歌はピロウズの山中さんがピクシーズのKim dealに捧げた一曲。
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少し話がそれますが・・・
映画館の入り口に、この作品に向けた向井秀徳のコメントが大きな看板となって立てられていたんです。 その内容は以下の通りなんだけど、
http://www.boid-s.com/2007/01/211.php
すごいなぁと思ったんです。 コメントの内容どうこうでなくて(もちろんコメントもいいけど)、向井秀徳っていうブランド一つで、ピクシーズの宣伝が成り立ってしまう事実が。ぜんぜん皮肉とかじゃなくて、純粋(単純)にすごいなって思った。 いま一冊の本を読んでいます。 作家の山田詠美が、色んなアーティスト(といっても主に物書きだけど)と対談している本です。 その中で山田詠美が“作家と批評家は違う”って発言をしていて、そこで私が思ったのは、音楽の世界だとここ最近の流れとして、批評家・評論家以上にアーティストの方が言葉の影響力(発信力)を持っているよなぁということです。 それが良いことなのか、悪いことなのか、わからないけれど。
映画は最高でした。
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