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2006/07/08(土)
明けない夜をゆーきゃんと
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私が初めて彼の歌声を聴いたのは『新宿ミーティング03』(オムニバス)に収録されている“post coda”という曲だった。 http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=683152&GOODS_SORT_CD=104
囁くように響く歌声。 音源越しからでも伝わってくる、ライヴ会場の緊張感。 合間合間の静寂すらも、彼に味方をしている。 彼が声を発するだけで、一瞬にして空間が出来上がってしまう。
オムニバスには最小限の事しか記されていなかったから、この時点で私が手に出来た情報は三つだけ。 曲名“post coda” アーティスト名“ゆーきゃん” ゆーきゃんは、京都在住のアーティストだということ。 この綺麗な歌声の持ち主は、果たして男性なのか女性なのか。 一曲聴いただけでは判断し難かった。 私はさっそくゆーきゃんのCDを探す。 ゆーきゃんは『ひかり』というアルバムをリリースしていた。 http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=794523&GOODS_SORT_CD=104 歌詞カードにプリントされている写真を見て、ゆーきゃんは男性だと知る。 それが05年4月のこと。 私は『ひかり』を自分の部屋で幾度となく聴いた。 『ひかり』を聴くのはいつも深夜から朝焼けに掛けて。 ちょうどこの頃、私は軽い不眠症で、毎晩息苦しい夜が続いていた。 しかし何故だか、ゆーきゃんの歌声を聴いている時だけは心から安らぐことが出来た。 彼の歌は私にとって子守唄だったのだ。
気分次第で行くか残るか決めてしまえばいいのさ たぶん しだいに近付く夜に消えない明かり灯りそうさ 自分ひとりで見てる景色が夢まぼろしでもいいのさ どんな期待も裏切るほどにまばゆい光 届きそうさ 届けよう さあ
“post coda”
去年の手帳を振り返ってみると、私が初めてゆーきゃんのライヴを見たのは05年の7/5と記録されている。 7/5 初めてのライヴ。 ゆーきゃんはギター 一本を持って、ふら〜っとステージに現れた。
“僕は声が小さいので、耳を澄まして聴いて下さい”
確か彼はそのような事を喋ったと思う。 その声すらも小さかった。彼の歌声は本当に小さかった。 というか、彼は囁いているのだ。今にも消え入りそうな声で。 それなのに、彼の歌声はとても強く響く。それはとても強くて清い。 聴いている者の全神経が、自然と彼へと向かってしまう。 ゆーきゃんには、時間を止めてしまう魅力がある。 ゆーきゃんのステージを見ているといつも胸に浮かぶ言葉、
真空
自分ひとりで見てる景色が夢まぼろしでもいい。 正に、ゆーきゃんのライヴを見ているとき、私は心からそう思うのだ。
彼が京都から東京にライヴに来る際、私は可能な限り足を運ぶようにした。 彼のステージから発せられる緊張感がたまらなく好きになった。 しかし、ライヴを見終え本人が目の前を通り過ぎようと、私は自分から彼に話しかけるということはしなかった。 元々どのライヴに行っても、小心者の私は自分の好きなアーティストに話しかけるということが出来ない。 特に、ゆーきゃんの場合はそれをためらった。 彼の領域に自分が近づくのはとても悪いと思った。 正直、怖いと思った。
06年、mixi内でゆーきゃんコミュニティーを作る。
“明けない夜をゆーきゃんと”
しばらくして、本人から“ありがとう”のメールが届く。 …びっくりした。でも、やっぱり嬉しかった。 そのメールを受け取ってから次の東京でのライヴの際に、私は思い切って本人に話しかけてみた。 …ゆーきゃんは、とても気さくな人だった。思わず拍子抜けしてしまった。 “ゆーきゃんってどんな人?” もしも、誰かに彼のことを尋ねられたらどう答えよう? 自分の感覚に一番近い言葉は何だろう?
妖精みたいな人。 植物みたいな人。
あぁそういえば、確かゆーきゃんはムーミンの手帳を持っていたっけ。 スナフキンとか、ニョロニョロとか似ているかも…。
(褒めてるんですよ)
2006年7月8日(土) 『waikiki in kyoto special:OKOME vol3 発売記念ライブ』
行ってきた。この日はゆーきゃんwith his best friendsというバンドスタイル。
セットリスト 1.月曜日 2.ラプソディ 3.春を待つ 4.詩月 5.真冬の兎
いつになっても分からないのだろう いつになっても変わらないのだろう いつか居着いたがらくたの中で奇跡を待ちわびる月曜日
“月曜日”
この日のライヴは5月にリリースしたスプリットシングルのレコ発ライヴ。 http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=958687&GOODS_SORT_CD=104 二ヶ月も前から楽しみにしていた。 だから一曲目“月曜日”のイントロが響いた瞬間から泣きそうになった。 心が、解き放たれてゆく気分だった。 あっという間のステージだった。 だけど、ゆーきゃんの存在感は圧倒的だった。
彼の世界観を“繊細だ”という人がたくさん居る。 きっとそれは、私が“清いなぁ”と感じている部分と重なっていると思う。 だけど、それだけじゃない。 ゆーきゃんは強い意志を持って音楽をやっている人だ。 私が、毎回彼のステージから感じる緊張感とは、きっと彼の意志なのだ。 それはとても心地よい。 正しい呼吸をしている気分になる。 長々と綴ってしまったけれど、これが私とゆーきゃんとの出逢い。 ゆーきゃんの魅力を語るには、私なんかの言葉では全然足りなくて、ホントに申し訳なく思う。 だけど、雨や雪や粒子のように、ひとりでも多くの人の元に、彼の歌声が降ればいいと思う。
本当にそう願ってる。
ゆーきゃんオフィシャルHP→http://akaruiheya.moonlit.to/
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